人気Vtuberの周防パトラさんが2023年5月9日、この日で所属事務所「774(ななしいんく)」(東京都新宿区)を退所し、独立すると発表した。
注目されたのは、周防さんがIP(知的財産)を引き継ぎ、独立後も同じスタイルで活動を継続する点だった。VTuberとは切っても切れない問題をどう乗り越えたのか。
円満退所をアピール、事務所も応援呼びかけ
周防さんはVTuber黎明期ともいえる2018年7月にデビューした。「魔界からヲタク活動したくてやってきた悪魔の女王」という設定で、ASMR(心地よい音)、ゲーム、雑談、歌を中心に配信している。
ユーチューブチャンネルは66万人以上の登録者を数え、動画の総視聴数は約2億3000回に上る。
所属事務所は、広告大手で東証プライム上場の「アドウェイズ」子会社の「774」だ。2012年設立の会社で、VTuberのマネジメントを手がける。22年12月期の決算は、純利益が1437万円、利益剰余金は2837万円。
VTuberは30人ほどが所属するが、周防さんのチャンネル登録者数がもっとも多く看板タレントだった。
退所は、周防さんから申し出たという。事務所は「卒業」「独立」と表現し、今後も周防さんの応援をファンに呼びかけている。周防さんも「ななしいんくの皆様には感謝しかございません。本当にありがとうございました!」と円満ぶりをアピールする。