「成人後の具体的な違法行為に対して裁かれるべき」
広江氏は「卒業文集に科学について書くことは少し珍しいことかもしれません。変わった子だと思われることもあると思います。しかしそういう子は全国には幾らでもいます。人と違っている自分に喜びを見出す子もいるでしょうし、違っていることで苦しむ子もいるでしょう。周りと違っていたからといって悪いことではないと思います」と持論を述べ、
「それはそれとして、文集に自分の興味関心のあることを素直に書くことは健全なことではないでしょうか。周囲の人たちと少し違っていることと犯罪とを結びつけるような報道は、偏見を植え付けたり、当事者や周囲の人に不安を植え付けたりしますし、いじめを正当化する原因にもなり得るのではないかと心配しました」
と子どもたちを慮った。
卒業文集の報道自体も▽世間一般への公開を前提していない▽社会的責任についての判断力が未熟な成長段階で半ば強制的に書かされる――という性質上、賛同できず「人は幼い頃の思想によってではなく、成人後の具体的な違法行為に対して裁かれるべきだと考えます。文集は犯人だろうと被害者だろうと有名人であろうと、成人後の本人の許可がない限り勝手に公開されるべきでは無い」と述べる。
今回の事件はテロ行為ということもあり、「容疑者の思想を広く報道することはテロの目的を助けることにも繋がります。この点についてもかなり慎重に報道すべきことだろうと思います」とメディアに要望した。