巨人が「魔の8回」を乗り越えられない。2023年5月7日の中日戦(バンテリンドーム)に1-2で敗れ、今季2度目の同一カード3連敗。最下位・中日にゲーム差なしまで迫られ、借金は5にふくらんだ。
「守護神・大勢につなぐ勝利の方程式が確立できていない」
「中日3連戦は全て同じような試合展開。接戦で8回を踏ん張れず、試合を落とす。懸案だった守護神・大勢につなぐ勝利の方程式が確立できていない。救援陣が崩壊状態では優勝争いに食い込むことを望めません」(スポーツ紙デスク)
今季の投手陣のイニング別成績を見ると、8回が防御率6.39と最も数字が悪い。開幕前はセットアッパーとして期待していた新外国人・ロペスが3試合登板で防御率4.50と不安定な投球が続き、4月6日に登録抹消されたのが大きな誤算だ。その後は、若手投手を起用してきたが経験不足は否めない。ドラフト3位・田中千晴は150キロを超える直球とフォークを武器にプロ初登板から7試合連続無失点と好投を続けてきたが、5月に入り3試合登板で計8失点と崩れた。5日の中日戦では1点リードの8回に登板したが、4本の集中打を浴びて5失点と1死しか奪えずに降板。登録抹消された。
6日の同戦では育成枠から支配下昇格した元DeNAの三上朋也が8回に登板したが、福永裕基に決勝適時打を浴びた。結果が出ないことで、救援陣にも重圧がかかる。3戦目となった7日の同戦は同点の8回に直江大輔をマウンドに送ったが、腕が振れない。先頭から2者連続四球で降板。その後にマウンドに上った菊地大稀が1死満塁から石川昂弥に決勝の犠飛を浴びて勝負を決められた。この回は1本も安打を打たれていない自滅だった。8回は6試合連続失点。救援陣が不安定では白星を引き寄せられない。
9日から首位を快走するDeNAと2連戦で仕切り直しを目指す。8回を任せられる救世主は現れるか。(中町顕吾)