コンビニチェーン「ファミリーマート」を通じて、同人誌を1日50通発送しようとしたら、店から困るなどと言われて断られたと、同人作家がツイッターで明かして関心を集めている。
発送のレジ受け付けには、1回5通の制限があり、50通なら少なくとも10回は店に依頼する計算になる。こうした発送量についてどう考えるのか、ファミリーマートの広報部に話を聞いた。
「困るので、他の店に行ってくれ」と言われたと報告
この同人作家が利用したのは、同人誌などを扱うマーケット「BOOTH」が手がける発送サービスだ。
そのサービス「あんしんBOOTHパック」は、宅配大手のヤマト運輸と連携しており、個人を特定されずに匿名で発送できる。発送物は、自宅などへの集荷はしておらず、ファミリーマートかヤマト運輸の営業所に持ち込む。発送では、受け取り先のポストに翌日投函する「ネコポス」便が使われる。
今回のトラブルについて、同人作家は2023年4月30日、ツイッターでその経緯を説明した。
それによると、自ら制作した同人誌を購入者にネコポス便で送ろうと、1回につき5~10通として、自宅近くのファミマ店舗に何度か出向いた。店のレジでは、他の客が並んだら先に譲るなどの配慮もしたという。しかし、1日で計50通ほどを持ち込むと、店長から、「こっちも困るので、他の店に行ってくれ」といった内容で「出禁」扱いになったとしている。
そこで、同人作家は、他のファミマ店舗かヤマトの営業所に持ち込むことにした。ヤマトの営業所は、数が少なく、受付が終わる時間も早いのがネックだったが、未発送の同人誌が十数冊もたまってしまった。何とか時間を作って、ヤマトの営業所で約20冊を発送したと報告していた。
BOOTHの公式サイトでは、ファミマ店舗にあるマルチコピー機のサービス告知画面を通じて、店頭のレジでの受け付けは、一度に最大5通までと明記されていると説明している。また、この告知画面には、「多くの荷物を持ち込まれる場合は、ヤマト営業所をご利用ください」と注意書きも出ている。
ファミマ「店舗の状況に合わせて、柔軟に対応している」
トラブルを明かした同人作家は、これまで一度に5~10通を出しても、店に注意はされなかったという。マルチコピー機の操作では、最大5通とする告知画面には気づかなかったとしたほか、店長からもこのことの説明がなかったとしていた。
同人作家は5月2日、J-CASTニュースの取材に対し、マルチコピー機を何度操作しても、最大5通とする告知画面は出なかったとして、「持ち込み制限については知りませんでした」と説明した。しかし、「無知であることは免罪にはなりません。制度を超えて持ち込んでいたのは僕の罪です」とも答えた。
現状については、「大変残念ですが、いまはファミマの利用を止めてヤマトの営業所に持ち込みしています」と答えた。
ファミリーマートの広報部は8日、取材に対し、「個店で起きた事象に関して、詳細含め回答は控えさせていただきます」としたうえで、1日50通といった大量発送をどう考えるのかなどについて、次のように説明した。
「1回あたりの上限については、ファミリーマートとヤマト運輸様での取り決めとして1回5通までとさせておりますが、店舗の状況に合わせて、柔軟に対応しております。合わせて、近隣のヤマト営業所のご利用についてもご案内させていただいております」
今後の対応については、「本発送受付サービスは、ヤマト運輸様が担っている為、現在当社として、お客さまのご自宅等への集荷サービスは実施しておりませんが、集荷に変わるお客さま向けのサービスについては、今後も検討してまいります」と述べた。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)