フィットネス大手「スポーツクラブルネサンス」を運営するルネサンス（東京都墨田区）は、今夏から個人向けの月額会費を値上げすると発表した。光熱費や人件費の高騰が背景にあるとしている。フィットネス業界では今年に入り、大手事業者の会費値上げの動きが相次いでいる。
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「スポーツクラブルネサンス」会費値上げへ
1650円値上げの事業者も
スポーツクラブルネサンスは全国105店舗を展開（2023年5月8日時点）。24時間営業店舗や温浴施設を備えた大型店舗など、様々な業態を展開している。
23年5月1日付で岡本利治代表取締役社長名義の文書を利用会員に通知し、今夏から「フィットネス個人会員」「スクール成人会員」の月会費を880円（以下税込み）上乗せすると伝えた。フィットネス個人会員は23年7月度から、スクール成人会員は23年8月度からの値上げとなる。各クラブの公式サイトにも同様の文書が掲載されている。
値上げの背景について「長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加え、昨今の様々な原価の高騰、とりわけクラブ運営に必要不可欠な光熱費、人件費等の著しい高騰が続き、当社施設を取り巻く環境は厳しさを増しております」と説明。「弊社といたしましても、経費の削減および運営の合理化に取り組んでまいりましたが、自助努力のみで吸収することが困難な状況になってまいりました」と事情を伝えた。
ルネサンスは新型コロナウイルスの感染拡大による休業の影響で21年3月期に約46億円の営業赤字を計上。22年3月期には9億1000万円の黒字に転換したものの、23年3月期第三四半期決算では光熱費の上昇により経費支出が想定を上回ったとしていた。
フィットネス業界では光熱費の高騰などを受け、会費を値上げする動きが相次いでいる。コナミスポーツ（東京都品川区）が運営するコナミスポーツクラブでは23年6月度以降、各クラブの個人・法人会員の月額料金が330円上乗せされる。3大都市圏に展開するティップネス（東京都千代田区）では、23年5月分から多くの店舗で月会費が上乗せされている。スポーツクラブNAS（千代田区）も6月から会費を引き上げることを発表。引き上げ幅は店舗や会員種別などによって異なるが、都内では月額1650円の値上げとなる店舗もある。