DeNAバウアーに「不安要素」はあるのか 元巨人コーチが実力絶賛も...指摘した「意外な懸念点」

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   プロ野球DeNAのトレバー・バウアー投手(32)が2023年5月3日の広島戦に先発し日本公式戦デビューを飾った。2回にマット・デビッドソン内野手(32)にソロ本塁打を打たれるも3回以降は得点を許さず7回を投げ7安打9奪三振。チームは5回に逆転し、バウアーは初登板初白星となった。

  • バウアー投手(写真:AP/アフロ)
    バウアー投手(写真:AP/アフロ)
  • バウアー投手(写真:AP/アフロ)

「非常にクレバーな投手という印象」

   大リーグの年間最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞を20年に受賞したバウアー。25年ぶりの優勝を目指すチームにとって心強い助っ人は今後、日本の野球に適応できるのだろうか。J-CASTニュース編集部は、巨人で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)に3日の広島戦を踏まえて分析してもらった。

   橋上氏は「非常にクレバーな投手という印象を受けました」と初登板を振り返り、次のように分析した。

「7割から8割の力だったと思います。アイドリング状態から軽くアクセルを踏んだくらいでしょう。全ての打者に対して全力ではなく、抜くところと入れるところのメリハリがあると感じました。実際ヒットなどでランナーを出してからのギアの入れ方が明らかに違う。相手バッターの力量、状況に応じてセーブするというクレバーさを感じました」

   そして球種に関しては「確認できたのは6つでした」とし、「どの球種も制球がしっかりしており、変化量、キレがありカウント球にも勝負球にもなり得る。全てにおいて質が高い。チェンジアップ、ツーシーム、カットボールなど全てにおいて質が高い。さすがだと思いました」と解説した。

「恐らく大崩れはしないと思います」

   橋上氏は、カメラとレーダーで投球を計測する弾道測定分析機器などを駆使した科学的なトレーニングがバウアーの安定した投球を生み出していると指摘し、今後大きく崩れることはないだろうと分析した。

「ラプソード(弾道測定分析機器)などをいち早く個人で導入したと聞いています。投球フォームや肘の上がり具合、手首の角度など細かく調整しているのでしょう。科学に裏付けされた投球フォーム、球種があるので恐らく大崩れはしないと思います。崩れてもすぐに微調整し、修正してくるでしょう」

   日本デビュー戦でサイ・ヤング賞の片りんを見せたバウアー。今後は中3日、中4日での登板を希望している。次回は5月9日に新潟で行われる巨人戦の予告先発が発表されている。

   橋上氏は「中4日で回ればかなりの試合で投げることができるので2桁は十分に行くと思います。ひとつ懸念があるとすれば、梅雨から夏にかけての蒸し暑さです。日本の夏は独特ですし、私の経験上、多くの外国人選手は湿度の高さがかなりこたえると言います。今のところ不安材料といえばこの暑さだけ。フィールディングやけん制もそつなくこなしますし、気候以外に気になるところはない」と評価した。

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