「子供が野球をやってみたいと言い出した」 WBC優勝1か月、少年向け教室じわり問い合わせ増加

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「熱があるうちに何か具体的な策を講じて...」

   球界関係者はWBCの影響をどのように受け止めているのだろうか。

   WBC13年大会で戦略コーチを務めた橋上秀樹氏(57)は「今回のWBCは親世代に影響を与えたと思います」との見解を示し、次のように持論を展開した。

「親御さんたちがWBCを見て自分の子供に野球をさせたいという気持ちになったという方が大きいと思います。子供に野球をやらせるということは、親御さんの時間的制約を含めて経済的にも負担があります。野球ができる球場がだいぶ減ってきており、送り迎えも親御さんの役目になります。チームによってはマイクロバスがあってチーム関係者が運転するということもあるが、これは珍しいケース。親御さんが指定の場所まで車で送り迎えするというのが一般的です」

   そして「時間的制約、経済的な負担を押しのけてまで野球をやらせたいという魅力が薄れてきたところに今回のWBCです。日本代表の活躍を見て『またちょっと野球を』という親御さんが出てきて、苦労を惜しんででも野球をやらせたいという風潮になってきたのではないでしょうか。子供たちに野球を教えている各方面の関係者から話を聞くと、問い合わせが多くなっているようです」と述べた。

   これまでのWBCの歴史を振り返ると、日本代表は06年の第1回WBCで優勝し09年の第2回大会で連覇を果たした。13年、17年といずれも準決勝で敗退し、今回3大会ぶりに「世界一」の座に返り咲いた。

   橋上氏はWBCのような国際大会で日本が優勝したことに大きな意義があると指摘した。

「今回WBCで優勝して世界のトップレベルにいることを証明できました。これが野球離れをしていた人達を引き戻す大きな呼び水になっている気がします。野球が世界のレベルで戦えるというのが1つのポイントです。メジャーリーグのメンバーは100%ではありませんでしたが、世界を代表するアメリカに勝って優勝したことは大きかった。昔に比べると世界が身近になってきています。WBCを見て自分の息子と大谷翔平選手をだぶらせる親御さんもいたでしょう」

   そして「WBCの影響が大きかっただけに一時的なものにしないようにしていかなければならない。NPBは熱があるうちに何か具体的な策を講じて野球の底辺拡大につなげてもらいたい」と期待を寄せた。

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