「片手でできる」をコンセプトにした便利グッズがSNSで脚光を浴びている。
皿洗いや爪切り、ペットボトルの蓋を開ける動作など、日常には無意識に両手を必要とする場面が多々ある。田川新生病院(福岡県)の作業療法士・川口晋平さんは、握力の弱った高齢者や片手が不自由な人が、こうした日常の何気ない動作を自分でできるようにする「自助具」を開発している。
片手生活を送っている人々の日常を少しでも楽しくしたい――J-CASTニュースの取材にこう述べる。
「『独りでやりたい』を形にする」
大阪公立大学でリハビリテーション学に携わる竹林崇教授は7日、ツイッターで次のように川口さんが制作した自助具を紹介した。
「これは革命的では...?片手が障がい等で不自由な方は、本当に、本当に皿洗いで苦戦されることが多いです。そこで、作業療法士の友人がこんな道具を作ってくれました。これを使えば、片手で比較的勘弁に食器を洗うことができると思います。『独りでやりたい』を形にする。必要な方に届いて欲しいです」
自助具の構造は、U字型のキットの両端に細長いスポンジが2個設けられたシンプルなものだ。シンクに取り付けて使うことができる。スポンジの位置が固定されているため、片手で皿洗いをこなせる。広い面は二つのスポンジにあてて、ふちを洗うときは二つのスポンジの間に通すことで、隅々を洗浄できる。
この投稿は19日11時までに、約7000件のリツイート、2万件を超える「いいね」が寄せられた。
竹林さんは川口さんの自助具をツイッターでたびたび紹介しており、過去には、片手で納豆をかき混ぜる、コンビニおにぎりの包装を解く、シャツの裾の留め具「カフス」を留めるための道具などが大きな注目を集めた。二人はこのような片手での日常生活を支える道具「片手でできるプロダクト」を、本業とは別にプライベートで開発し、販売している。
取材に対し川口さんは、21年10月に竹林さんと活動を始めたと述べる。