良心痛むも「仕事と思いやりは別にしよう」
そこで、TikTokに目をつける。2018~19年頃は「めちゃくちゃ治安が悪かった」といい、「寿司テロ」騒動で問題となったような動画を投稿する一般人をターゲットに変えた。
しかし、暗雲が立ち込める。ユーチューブが過激動画の規制を厳しくし、広告が配信されないケースが増えてきたためだ。違反警告でアカウント停止寸前までいったこともあった。
このあたりから「何のためにやっているのか」迷いが生じる。やりたかったお笑い、ネタ系の動画も投稿していたが、全く見られなかった。オフ会を開くと100人以上が集まったが、有料のお笑いライブを開いてみると10人も来なかった。都市伝説、漫画考察など100回以上も路線変更を試みたこともあるも結実しなかった。
よりひと氏は「有名人をネタにすると良心が痛み、一般人をネタにすると動画が規制で消さるようになり八方塞がりになった」と顧みる。
心機一転するため別の投稿者とコンビを組んで活動を始めるが、トラブルなどでそれも上手くいかず解散した。
そこで、闇金業者を主題にした人気漫画に触発されて「仕事と思いやりは別にしよう」と吹っ切れる。ふたたびインフルエンサーを取り上げるようになり、「動画が消されまくるうちに、規制のラインがわかってきた」と一般人も槍玉に挙げた。
真偽不明の情報も勢いに任せて発信した。「基本的に裏取りはしなかった。しない方が見られたので。話題になったら本人が『裏取り』すればラッキーだなと考えていた」。いざこざも絶えず、裏では当事者に謝罪やフォローをしていたと明かす。