東京・新宿の複合高層ビル「東急歌舞伎町タワー」にある、性別に関係なく利用できるとうたうトイレが物議を醸す中、フロアガイドに書かれた「ジェンダーレストイレ」という表記が「トイレ」に変更されたとの報告がSNSに複数寄せられ、話題になった。
東急歌舞伎町タワーは2023年5月2日、「ご利用いただきやすくなるよう検討を行いました」とJ-CASTニュースの取材に回答した。
「今後もご利用いただきやすくなるよう検討」
4月14日にオープンした東急歌舞伎町タワーは、高さ約225メートルで、地上48階・地下5階。飲食店や映画館、劇場、ライブホールといったエンターテインメント施設などが集まっている。
問題になったのは、2階にあるジェンダーレストイレだ。2階のトイレは「男性用トイレ(小便器)」と、「男性用・女性用・ジェンダーレス・多目的」それぞれに分かれた個室が同じ空間にある。
開業日の4月14日からSNSで話題になり、性犯罪などの危険性を指摘する声や、利用者別の案内を伝えるデザインが分かりづらいと苦言を呈する声が相次いだ。
こうした声を受け、東急歌舞伎町タワーは4月19日、ジェンダーレストイレを設置した経緯や、警備・防犯対策について公式サイトで説明した。
「国連の持続可能な開発目標(SDGs)の理念でもある『誰一人取り残さない』ことを配慮し、新宿歌舞伎町の多様性を認容する街づくりから、設置導入いたしました」とし、警備員による巡回や防犯カメラによるトイレ共用部の常時監視、SOSボタンなどの施策を実施しているとした。
こうした中、フロアガイドに書かれた「ジェンダーレストイレ」が、「トイレ」という表記に変更されたとSNSで話題になった。変更後の写真付きで報告するツイートが複数出ている。
東急歌舞伎町タワーに、表記変更の経緯などを尋ねると、同施設は5月2日、「ご利用いただきやすくなるよう検討を行いました。今後もご利用いただきやすくなるよう検討を進めてまいります」と取材に回答した。
その他の変更点については、男性用トイレは2基、女性用トイレは8基、ジェンダーレストイレは2基、多目的トイレは1基に変えたとした。4月28日の産経新聞によれば、男性用トイレは2基、女性用トイレは5基、ジェンダーレストイレは5基、多目的トイレは1基だった。