米NYタイムズはウェブメディア「Vice」などを運営するVice Media社が破産する可能性があると2023年5月1日に報じた。経営面に課題を抱え、これまでに従業員の解雇や部門の閉鎖などが行われていた。
「何年も黒字化を目指してきたが、一貫して失敗」
同社はカナダで創業し、アメリカに本社を置く。カルチャー、ファッション、社会問題など幅広いジャンルの記事コンテンツを特徴とし、日本含む世界30か国以上に支部が存在する。
「Viceが破産に向かうと言われている」(以下、編集部訳)と題したNYタイムズの記事によると、17年に投資ファンドからの資金調達を受け、価値は57億ドルに到達した。その一方で経営状況は芳しくなく、「同社は何年も黒字化を目指してきたが、一貫して失敗し、赤字と従業員の解雇を繰り返してきた」という。今年に入ってからは経営陣の退社が相次ぎ、一週間前には世界の紛争や人権侵害を扱う部門「Vice World News」の閉鎖を社員に告げたとした。
記事によると、同社の運営に詳しい2人の人物は破産申請の準備を進めていると説明。またこの問題に詳しい3人の関係者は、今後数週間のうちに破産申請が提出される可能性があるとした。
ウェブメディアをめぐっては4月にも米BuzzFeedが報道部門の「BuzzFeed News」を閉鎖し、20年に買収したニュースサイト「HuffPost」に集約する方針を示していた。