東京都杉並区にある動物病院に避妊手術のため入院していた犬が脱走し、列車事故に遭って死亡したとして、2023年4月27日に同院が公式サイト上で謝罪した。事故の発生を受け、同院は臨時休診となっている。
外出時に首輪外れる
「重大事故発生のお詫びと臨時休診のお知らせ」と題した文書を発表したのは、杉並区の「永福あにまるクリニック」。同院の院長は「4/24に入院管理する犬を脱走させ、列車事故に遭わせ死亡させてしまうというとても悲しく痛ましい重大な事故を発生させてしまいました」と事態を報告した。
発表によると、4月24日夜に避妊手術のため入院していた犬を排尿のために外へ出させた際に首輪が外れ、犬が脱走。このとき犬にはリードと首輪を使用していたが、ハーネスは使っていなかった。その後、警察の協力で捜索するも同日中には見つからず。翌日になり、犬が脱走直後に列車事故に遭い、亡くなっていたことが発覚した。
同院は「御遺族およびその御家族である御愛犬に深い哀悼の意と、心よりの謝罪を申し上げます。そして、御愛犬の御冥福を心よりお祈りいたします」と謝罪。さらに「当院の安全管理の重大な過失が招いた惨事であり、本来絶対にあってはならない事であります。命を預かる者として非常に重く責任を感じております。信頼されお預けいただいた結果失わせてしまった大切な命とご遺族に対し改めて謹んでお詫び申し上げます」と重ねてお詫びした。
「今後は専門家の意見を交えながらご遺族と対応を協議し、誠心誠意謝罪する所存です」と対応と伝え、さらに「二度とこのような事故が起こらぬよう安全管理対策が改善され、確かな安心を届けられるようになるまでしばらくの間閉院いたします」とした。
発表では事故発生の経緯も説明している。
事故発生の経緯、発表全文
経緯
4/24のお昼に6ヶ月齢の中型雑種犬の女の子の避妊手術を行なった。手術は30分弱で無事14時前に終了し、麻酔からの覚醒も順調であった。入院室で点滴管理とした。19時の時点でとても元気で表情も穏やかであり、傷も良好で痛み兆候などもなかった。首輪とリードをつけ、首輪の具合の確認をし、点滴ラインを外し翼状針の管を腕の包帯にしまいこんでケージから出した。院内を軽快にスムーズに歩いていた。排尿したら戻る目的で短時間だけ外に連れ出した。その際、リードと首輪を使用していたがハーネスを使用せずに出てしまった。外に出てしばらくして車道に出掛かり引っ張った際に首輪が抜けた。捕まえようとしたが逃げられてしまい見失った。ノーリードノーカラーで腕の包帯だけの状態であった。
すぐに飼い主さまと警察に連絡を取り捜索を開始したが全く目撃情報がなかった。探偵にも依頼し、チラシを配るなどしながら範囲を広げて交代で夜通し探した。朝になり、防犯カメラに映っていた情報から脱走直後に井の頭通りをファミリーレストラン方向に向かったとの情報があった。再度警察に問い合わせてみたが犬の事件や事故の報告は来ていないとの返事であった。飼い主さまの聞き込みで脱走後に電車と動物の衝突事故があり、埋葬したとの情報があった。特徴が似ていた。鉄道関連職員が掘り起こすのでお昼に確認することとなった。飼い主様と同席し現場に向かい、ご遺体を確認した。ご遺体は警察に届けられることなく埋葬されていたため、報告が来ていなかった。そのまま一度病院で預かりできる限り体をきれいにし、飼い主様にお戻しした。