DeNA三浦監督は「よく我慢した」 好調の一因に「今永昇太の起用法」...元プロコーチが感じた配慮

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   プロ野球DeNAが2023年4月30日、バンテリンドームで中日と対戦し2-0で勝利した。先発・東克樹投手(27)が9回を投げ切り4安打6奪三振無四球で完封。チームは4月21日の広島戦から7連勝とし、貯金「9」でリーグ首位を堅守した。

   3月31日の開幕から4連敗を喫したものの、その後立ち直り4月は16勝を記録。スポーツ紙などの報道によると、4月の16勝は球団新記録だという。25年ぶりの優勝へ好発進したDeNA。今季の強さは本物か。J-CASTニュース編集部は、巨人、ヤクルト、楽天、西武でコーチを歴任した橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

  • 今永投手(写真:CTK Photo/アフロ)
    今永投手(写真:CTK Photo/アフロ)
  • 今永投手(写真:CTK Photo/アフロ)

「しっかり調整期間を与えたことが良い結果を生んでいる」

   4月30日時点でチーム打率(.250)がリーグトップで、チーム防御率(2.63)はリーグ2位につける。橋上氏はリーグ首位を走る要因として投手力を挙げた。中でも安定感のある先発陣を高く評価し、左右のバランスの良さを指摘した。

「先発の数と質が他球団に比べるとかなり良い。先発ピッチャーの厚みがある。今後(トレバー・)バウアー投手が加わることを考えると、投手陣の充実ぶりが際立っている。攻撃力は多少プラスがあるとしても昨年並みだと思います。投手力に関してはかなり上積みがある。外国人選手の(ロバート・)ガゼルマン投手が勝っているというのも大きい」

   橋上氏はチームが好調の要因のひとつに今永昇太投手(29)の起用法を挙げた。今永は3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場し、3大会ぶりの優勝に大きく貢献した。3月22日(日本時間)に行われた米国との決勝戦では先発のマウンドに上がり、2回を1失点で切り抜けた。

   今永の今季初登板となったのは4月21日の広島戦だ。先発のマウンドに上がり8回5安打無失点の好投を見せ今季初勝利をマークした。

   WBCに出場した先発投手の中で最も遅いシーズンインとなり、セ・リーグでは巨人の戸郷翔征投手(23)が4月4日に先発し、中日の高橋宏斗投手(20)は4月6日に先発。パ・リーグではオリックス山本由伸投手(24)とロッテ佐々木朗希投手(21)が共に4月6日に先発している。

   橋上氏は「WBC終了後、しっかり調整期間を与えたことが良い結果を生んでいる」との見解を示し、次のように続けた。

「三浦監督はよく我慢したと思います」

「今永投手が戻って来たことによって他の投手も影響を受けている。中でも元々良かった左の先発投手である東投手、石田(健大)投手に好影響を与えている。2人は今永投手が不在の時も頑張っていましたが、今永投手が復帰してからさらに良くなっている感じがある。刺激され、競争意識もあると思います。良い緊張感を持って投げているように見えます」

   そして「三浦(大輔)監督はよく我慢したと思います」とし、「今永投手を早く使いたいというのがあったでしょうが、先を見越して時間を与えた。ピッチャー出身の監督ということもあり、投手への配慮をしっかりしていたと感じる。今永投手にしっかりと調整期間を与えたということが今シーズンのDeNAの戦いに大きくプラスに作用するかもしれません。今のところ投手陣が崩れる要素が見当たらない」と語った。

   4月30日時点で2位阪神に3ゲーム差をつけて首位を快走。5月3日の広島戦には20年に大リーグのナ・リーグでサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたトレバー・バウアー投手(32)が先発を予定しており、出遅れているタイラー・オースティン外野手(31)の1軍合流も近いとみられる。

   橋上氏は「ひとつのポイントとなるのは交流戦。ここを乗り切れればそのまま行ってしまう可能性も十分にある。追いかける1番手は阪神ですが、ここまでの戦いぶりをみるとDeNAと戦力的に差が出つつある。今後のプラス要素を考えるとDeNAの方に上積みがある」と指摘した。

   5月2日からホーム横浜スタジアムで3位の広島と3連戦、5日からは敵地・神宮球場でヤクルトと3連戦を予定。5月30日からセ・パ交流戦が開幕する。

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