老いも武器「長く生きてきた分、多くの実体験や知見があります」
壮年でマンガ家になるという夢に突き進むモトカズさんは、「老いも武器」だと述べる。
「長く生きてきた分、多くの実体験や知見があります。
仕事の進め方やノウハウを含め、そういったものは職業として仕事をする上で重要です。
芸術家ではなく商業作家として作品を生み出していく、そういう感覚が確立していると計画的に物事が進められます。
同じ課題に直面した場合でも、クリアする方法を経験の中から最短ルートで選べます。
そういった強みを意識して活かしていけるように努めています」
モトカズさんが提供した9年ほど前に描いたとするイラストは、バストアップの少女を描いている。現在のイラストはキャラクターに動きが出ていて、陰影のメリハリもはっきりとしている。服の質感や髪のツヤなど細かな情報も表現されており、大きな成長を見せていた。
年齢にかかわらず何か新しいことに挑戦したい人に対し、モトカズさんは本当に好きなものを見つけてほしいと応援する。誰にでも好き嫌いや向き不向きはあるはずだとして、好きなことが向いているものであればきっと夢はかなえられると述べた。そして、人の力を借りるのも大切だという。
「何かに挑戦する場合、様々な方の力が必要になります。独りではできないことばかりです。今回の連載では担当者のご尽力がとても大きく、その存在にとても感謝しています。協力者を得ること、それもとても重要だと思います」
一方で年を重ねることで課題になるのは体力だとして、健康には気を付けたいという。
今後については次のように意気込んだ。
「連載が決まったとき、コミックスが発売されたとき、本当に嬉しく夢の様に感じました。ですが、いずれも"出来事"であって望まれる"成果"はまだ得られていません。
連載漫画を多くの方に楽しんでいただける、そしてコミックスを多くの方に手に取っていただける、そういった成果にはまだ遠く、未熟な自分に落ち込むばかりです。
『漫画家になりたい』『単行本を出したい』は、『結婚したい』と同じようにゴールではなくて出発点なんだなと強く実感しています。
これからは商業漫画家としてどれだけ多くの方に喜んでいただけるか、そして長く続けていけるかへの挑戦です。
その挑戦の先、目指すは『50歳で連載漫画のアニメ化』です!」
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)