高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
財源は他にもあるのに、財務省が防衛増税に固執するのはさっぱり理解できない

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事前の有事対応へは国債が相応しいのは自明

   そもそも有事費用は国債で賄われるという歴史事実さえ押さえておけば、事前の有事対応へは国債が相応しいのは自明だ。

   ドイツは防衛費GDP比2%のために1000億ユーロ(14.5兆円程度)の特別基金を創設したが、それは国債発行で賄った。これは、安倍元首相の防衛国債そのものだ。

   国債に関連していえば、先進国では減債基金自体がかつてはあったが今では存在していないので、債務償還費の繰入れがない。となると、日本の予算では、歳出が債務償還費分、歳入はその同額の国債が、先進国から見れば余分に計上されている。その債務償還費の一般会計繰入れを特例法で停止し、それで基金を作れば、少なくともドイツと同じ特別基金ができる。しかも、これで増税なしになる。これは事実上防衛国債と同じだ。

   また、外為特会の利差益は財源とするが評価益は使わない。評価益を使えば、これも増税なしになる。

   これらの財源があるにもかかわらず、財務省が増税に固執するのは筆者にはさっぱり理解できない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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