静岡県沼津市のホテル・AWA西伊豆が提供する「酵素シロップ」が、手の常在菌を使って夏みかんを発酵しているとテレビ番組で紹介され、衛生面を問題視する声が相次いだ問題で、ホテルを運営する竹屋旅館(静岡市)が2023年4月26日に公式サイトで謝罪した。
問題視された発酵シロップを使ったジュースの提供を中止したことも明かした。
「私どもの発酵に対する知識不足で...」
発端となったのは、23日放送の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日系)。その中で、AWA西伊豆が提供する酵素シロップが取り上げられた。
従業員が「こちらが自家製の酵素シロップになっておりまして、夏みかんを発酵させたものになります」と紹介。「手の菌の常在菌という菌を使って発酵させているので、中に手を入れてかき混ぜてますね」という説明とともに、透明の瓶の中に入った夏みかんを手でかき混ぜる映像が映った。
その後、別の従業員が「入浴15分前に発酵ドリンクを飲んで水分を全身に巡らせてから入浴するとデトックス効果が得られると言われているのでオススメです」と出演者に説明するシーンもある。
これを疑問視するツイッター投稿が拡散し、SNSでは「信じられない」「有り得ない」などと驚く声が相次いでいる。なかには「手の常在菌は黄色ブドウ球菌などがいて、食中毒の原因になります」と問題視する投稿もあった。また、ツイッターでは「手の常在菌」が一時トレンドに入った。
ホテルを運営する竹屋旅館は26日夕、公式サイトで謝罪。「私どもの発酵に対する知識不足でこのような事態となりましたことを、深く反省いたしております」と述べ、「現在、管轄の保健所さまに確認をお願いし、製造工程等につきまして、現地にて確認を頂くこととなっております。しかるべき指導を受けて適正な対応をして参ります」と今後の方針を示した。
また「ご指摘頂いております発酵ジュースにつきましては、現在提供を取りやめております」とし、保健所の指導が入り次第、今後の対応についても報告するとしている。