2023年4月23日投開票の東京都世田谷区長選で4選を果たした、無所属の現職・保坂展人氏(67)の選挙期間中のツイッターでの発言が疑問視された。「保坂さんの12年で益々住みやすくなった」などと、他人行儀な文面で自身の功績を称賛する内容だった。
インターネット上では「自作自演」を疑う声も出ていたが、保坂氏は24日午前のツイートで、第三者のセリフだったなどと釈明した。
「自画自賛なのか自作自演の失敗なのか」
注目を集めたのは、保坂氏が22日夜にツイートした内容だ。打ち上げ演説会に俳優の松尾貴史さんが訪れたと紹介する応援団体「保坂のぶとサポーターズ」のアカウントのツイートを引用し、次のように述べた。
「前から住みやすかった世田谷が、保坂さんの12年で益々住みやすくなった。このまま、しっかり仕事を続けてほしい」
この投稿は24日までに2000件を超えるリツイート、3000件を超える「いいね」が寄せられるなど注目され、次のような疑問の声が寄せられた。
「自画自賛なのか自作自演の失敗なのか、なかなか興味深いw」
「自分のことを『保坂さん』と書いてる...」
「ええと、、、。どういう事ですか?あなたは誰?」
まるで他人が保坂氏を称賛したような文面だが、どのような意図による投稿なのか。
J-CASTニュースは24日午前、事務所に取材を試みたが担当者が不在だった。選挙事務所から区長室に取材を申し込むよう伝えられたため、区長室に取材を申し込んだ。投稿の意図やアカウントの管理者について尋ねたところ、個人のアカウントでの発言であるため答えられないとした。
その直後、保坂氏がツイートを更新した。
「『保坂展人』は私自身が管理しています」
保坂氏は、物議の投稿は松尾さんの発言を紹介したものだとツイッターで説明した。
「4月22日のツイートで『前から住みやすかった世田谷が、保坂さんの12年で益々住みやすくなった。このまま、しっかり仕事を続けてほしい』というセリフは引用リツイートした写真の松尾貴史さんのものです。『松尾さんのお話は』『松尾貴史談』と付け加えれば良かったと思っています」
続く投稿によれば、ツイッターアカウント「保坂のぶとサポーターズ」は事務所スタッフが運営し、「保坂展人」は本人が管理しているという。
「サポーターズの松尾さんの記事を紹介して、挨拶された内容を紹介しましたが、説明不足だったようです。選挙期間中は更新、コメントが公選法で禁止されていて、昨日は修正出来ませんでした」
公職選挙法において、選挙運動は公示・告示日から投票日の前日までと定められている。23日は投開票日だったため、修正できなかったという説明だ。
一方で保坂氏は、釈明の約3時間前にもツイートの更新を行っていた。23日の投票締切後には選挙速報について言及したほか、当選確実の報を受け有権者に感謝を伝えるメッセージ動画を「保坂のぶとサポーターズ」の投稿を引用する形で拡散していた。
前から住みやすかった世田谷が、保坂さんの12年で益々住みやすくなった。このまま、しっかり仕事を続けてほしい。 https://t.co/dS7fZuhGUF
— 保坂展人 (@hosakanobuto) April 22, 2023