大混雑の過去も...今や「後発施設と勘違い」 来場者数ピークの1/4、かつての人気水族館が下す決断

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決断した「イルカショー」の終了

   しながわ水族館は1991年に開館。首都圏ではじめて「イルカショー」を楽しめる水族館として注目を集め、92年には池袋の「サンシャイン水族館」(豊島区)を上回る年間来場者数160万人を集めた。当時の賑わいについて、前述の担当者は「(先輩方からは)周辺の公園も含めて大混雑していたと聞いています」と話す。

   しかし、93年には八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)、05年にはエプソン品川アクアスタジアム(現:マクセル・アクアパーク品川)と、いずれもイルカショーを売りにした水族館が首都圏に誕生する。他にも集客力のある水族館が相次いで開業し、しながわ水族館の利用者は年々減少。19年に年間40万人を割り込んだ。20年度に行われた前述の調査では、「品川」の名を冠する後発施設と混同されている実態が浮き彫りになった。

   利用者数の減少、さらに建物の老朽化もあり、区は27年度に施設をリニューアルすると発表。そこで出した結論は、リニューアルを機に「イルカショー」を終了することだった。

   なぜ、看板を下ろすことにしたのか。担当者は「都内唯一のイルカショー実施水族館という独自性が失われたこと」「イルカ飼育の費用負担の大きさ」、さらに海外でイルカ飼育への風当たりが強まっていることなどを踏まえた決定だと説明する。

   区は水族館が立地するしながわ区民公園の自然環境や景観と調和した新施設の計画を検討。リニューアルの事業者・設計者は今年度中に決定予定だ。また現行の施設では5月7日まで、「昭和・平成レトロ」をテーマにかつて流行した生き物などを展示する「エモいぞ!! レトロ展」を実施する。

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