選挙カーの「ありがとうございます!」誰に向けたもの? 訝る有権者も...「カリスマウグイス嬢」に聞いた発声の裏側

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「ありがとう」発動には3パターンある?

   選挙カーから聞こえる「ありがとう」は、一体どんなときに発せられるものなのか。J-CASTニュースは23年4月18日、31年の選挙ウグイス嬢経験を持つ幸慶(ゆきよし)美智子さんに話を聞いた。幸慶さんは経験を生かし、全国の選挙ウグイス嬢スタッフの指導や、選挙ウグイス嬢を紹介する企業の代表取締役を務めている。今でも、自らウグイス嬢として働くことがあるという。

   ――統一選期間中、選挙カーから「ありがとうございます」という声がよく聞こえてきますが、どのような理由で言っているのでしょうか。

「実は私の会社のレッスンでも、『ありがとうございます』の言葉を大事にするよう、スタッフに指導しています。選挙カーからの呼びかけは、浮動票(編注:支持候補者が決まっていない人の票)を取りに行くための行動だと思われる方も多いと思いますが、私の指導では固定票(すでに支持候補者が決まっている人の票)を固めに行くことを目的としています。投票率が低い状況では、浮動票を狙ったとしても、すべての人が候補者に投票してくれるとは限りません。ですので、まずは過去の選挙でお世話になった有権者の方に向けて『ありがとう』と伝えることを大事にしているんです」

   ――なるほど。では一般的に、ウグイス嬢の方が「ありがとう」を言うのにはどんなケースが考えられますか。

「これには3パターンが考えられます。1つ目は、手を振ってくださる、挨拶してくださるなどのご支援に感謝するパターンです。2つ目は、あらかじめ文章の文頭に入れて伝えるパターンです。候補者を紹介する前に『いつもお世話になっております、ありがとうございます』と入れることで、有権者の方が手を振ってくださることを肌感覚で理解しているウグイス嬢の方が多いのではないでしょうか。3つ目は、アナウンスを間違えたときです。文章を読んでいて『うっ』と詰まった時に、『ありがとうございます!ありがとうございます!』と続けると、手を振ってくださったと錯覚させることができるので、ミスをリカバリーする効果があるのではないでしょうか」
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