原監督は「迷ったら動くタイプ」 なぜ固定できない?「日替わり打線」の背景を元巨人コーチ分析

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   プロ野球の巨人が開幕から低迷している。2023年4月20日時点で17試合を消化し6勝11敗と大きく負け越している。主力の坂本勇人内野手(34)、丸佳浩外野手(34)が共に打率1割台と調子が上がらず、打順を固定できず「日替わり」打線が続いている。なぜ打順を固定できないのか。J-CASTニュース編集部は、巨人でコーチを務めた橋上秀樹氏(57)に分析してもらった。

  • 巨人・原監督(編集部撮影)
    巨人・原監督(編集部撮影)
  • 巨人・原監督(編集部撮影)

「原監督も本来は不動でいきたいと思っているはず」

   3月31日の中日との開幕戦は、1番オコエ瑠偉(レフト)、2番・吉川尚輝(セカンド)、3番・丸佳浩(ライト)、4番・岡本和真(サード)、5番・中田翔(ファースト)、6番・坂本勇人(ショート)、7番ブリンソン(センター)、8番大城卓三(キャッチャー)、9番ビーディ(ピッチャー)のオーダーで臨んだ。

   17試合を消化した4月19日まで打順を動かさなかったのは4番の岡本だけで、中田は開幕から5番に定着していたが、4月18日、19日のDeNA戦で3番に入った。

   橋上氏は「例えばV9を達成した時の巨人のように強いチームの打線はほとんど不動でした。基本はそれが理想だと思います」とし、「原監督も本来は不動でいきたいと思っているはず。開幕当初に描いていたメンバーで。ところがそこにケガも含めて戦前の予想とは違う部分が出てきた。より良いものを見出そうということで打線を入れ替えていると思います」と解説した。

   原辰徳監督(64)の第2次政権下で戦略コーチを務めた橋上氏は、「原監督はどちらかというと動くことが多い監督で、迷ったら動くタイプでした」と当時を振り返った。

   開幕から好調を維持し現在リーグ首位の阪神の打線に目を向けると、1番、2番、4番を完全に固定し、3番ノイジー、5番・佐藤輝明は2試合外れただけでほぼ固定している。

   橋上氏は「セ・リーグの他球団を見渡してみると、まるっきり固定というチームはないが、巨人ほど動かしているチームもない」と指摘し、次のように語った。

「打順を動かすことがチーム状態の悪さと比例している」

「打順を動かすことがチーム状態の悪さと比例していると感じます。状態の悪いチームほど打順を動かしている。ヤクルトは勝ってはいるが打線が低調なので、戦線を離れた山田(哲人)選手を除いて固定しているのは村上(宗隆)選手、オスナ選手、中村(悠平)選手ぐらいであとはかなり動かしている。巨人の場合は首脳陣が当初予定していたものと現状にあまりにもギャップがあるからだと思います。それが頻繁に打順を入れ替えるということに表れている」

   そして「試合に使いながら状態を上げさせるために同じような打順でというよりは、色々な打順で視界を変えてあげる意味合いもあると思います」とし、「現状、複数の選手の調子が悪い。調子が悪い選手がひとりぐらいなら打順を替えないというのもありだが、坂本選手、丸選手、吉川選手の状態が悪い。大幅な打順の入れ換えをしないと打線を組むのが難しい状態にある」と解説した。

   4月に入って5日のDeNA戦から5連敗を喫し、1勝を挟んで3連敗するなど苦しい状況が続く。リーグで勝率5割を切っているのは巨人と中日の2チームだけで、開幕から17試合を消化して5つの借金を抱えている。

   橋上氏は「プラスの要素が見えてこない」と指摘し、「坂本選手や丸選手をどこかで1回外してリセットさせる時間を与えるのも手だと思います。その間に2軍で頑張っている若い選手を何人か起用してみてチームの復調のきっかけを作る。このまま現状でいっても良い方向に行かないと思います。現状リーグ5位なので何かを変えなければいけない」と強調した。

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