神奈川県箱根町内の自動車専用道路「箱根新道」を自転車の集団が走っていたとして、バイクのドライバーがツイッターに動画を投稿し、注意を呼びかけている。
この道路では、自転車や歩行者のほか125㏄以下のバイクも通行禁止だ。県警の小田原署は、ドライバーらからの通報が相次いでいるものの、パトカーなどで行っても発見できないと困惑している様子だ。
通報が複数あり、パトカーが現地に向かったというが...
箱根新道は、小田原市内から向かうと、芦ノ湖の近くまで到着する13.8キロの高速道路だ。1962年に国道1号線のバイパスになる有料道路として開通したが、2011年から国交省管理の無料道路になっている。
通行禁止の自転車が走行する様子を撮った35秒の動画は、2023年4月18日にツイッターで投稿された。
それを見ると、小田原方面に向かう上り線の下り坂右カーブ近くで、ロードタイプの自転車5台が列を組んで走行している。すぐに2台が続き、7台とも、ヘルメットは着用していた。
目撃されたのは、18日の15時ごろだったという。撮影は、須雲川(すくもがわ)インターから少し小田原方向に走ったところで、道路左側の待避所にバイクを止めて行われた。警察に通報するためだったといい、トラブルを警戒して声をかけず、通報してからその場から離れたとしている。
動画の投稿者は19日、J-CASTニュースの取材に応じ、計7台が同じグループだったと明かした。7台は、ここから先にある別の待避所で休憩していたという。投稿者は、7台がどこから入って来たのかは分からなかったが、撮影地点から1、2キロ手前で気づいたとした。
通報は、小田原署に直接電話をかけたというが、他の人からも通報があり、パトカーが現地に向かっていると説明を受けたという。その後、警察に任せて帰宅したため、7台が検挙されたかは分からないとしている。
小田原署「自転車などの通報は、しょっちゅうある」
自転車走行の通報があったかについて、小田原署では4月19日、取材に対し、次のように話した。
「箱根新道を歩いている、自転車が走っているといった通報は、しょっちゅうあります。日常茶飯事ですが、警察が行ったときには発見できない状況です」
高速の入口には、自転車などの通行禁止を知らせる標識も立っている。それにもかかわらず、なぜ自転車走行などが絶えないのだろうか。
「標識については、分かっているのか、気づかなかったのか、は分かりません。人を立てて置くわけにはいきませんが、自動車専用道路を自転車が走ったりすれば危険です」
箱根新道を管理する国交省の横浜国道事務所の副所長は同日、取材に次のように説明した。
「分かりづらくないように、補助標識も立てています。また、路面状況などの見回りも兼ねて、2日に1回パトロールをしています。自転車が走っているなどの場面に、最近は遭遇したことはありませんが、気が付けば注意喚起をしていきます」
箱根新道のバイパスは、県が管理する国道1号線よりルートが短くなっているという。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)