永田礼路さんを起用した理由を「爆買神」に聞いてみた
ワーキンググループ長は、一般の人々に向けて博覧会のレポートマンガを描いてくれる作家を探していたという。取材に対し、次のように述べる。
「博覧会では非医療者向けに工夫を凝らした展示を心掛けていますが、医療機器や薬品など、専門的な知識がある程度必要な情報も存在します。そこで、非医療者の方々にも理解しやすく効果的な情報発信を実現するためにはマンガが適しているであろうと考えました」
博覧会では、医療にまつわる様々な展示が行われる。これらの高度で専門的な知識を理解し、絵と文字、ストーリーにまとめ、短期間でマンガにするというのは無理難題だ。医療関係者にしかできないだろうと考えながら、インターネット上を検索すると、永田さんが過去に書いたマンガ「8ページでなんとなくわかる『ワクチンなんだろう』」がヒットした。
「この作品は以前読んだことがあり、医療者である我々にとっても非常にわかりやすいと感じたことを思い出しました。『これだ!』と電撃が走った感じがいたしました。さらに永田礼路先生の作品を読み進めるうちに、永田礼路先生が医師であること、これまでに多くの作品を発表し様々な層の読者から高い評価を受けておられることがわかりました。私は永田礼路先生の作品世界に魅了され、『あ、この人しかいない』と確信しました」
気づけば永田さんのマンガに夢中になってしまったワーキンググループ長は、「直接依頼する絶好の機会」と考え、コミティアに向かった。
「同人誌即売会、コミティアの事は存じておりました。コミティアは創作の宝庫と言える場所です。多種多様なジャンルやスタイルを持つ才能あふれるクリエイターたちが集い、お互いをリスペクトし、互いに刺激を受けながら新たな表現の可能性を追求する【聖地】であり、独自の世界観や緻密なストーリーが紡がれた作品が無数に並びます。
もし、永田礼路先生が今回の無理難題を引き受けて下さる可能性があるとすれば、実際に会場に足を運び、その熱気の中、『医師同士』という土俵で、博覧会にかける熱意をアピールするしかないと考えました」
そのあふれる熱意は、永田さんのマンガに描かれたとおりだ。