日本ハムが早くも苦境を迎えている。開幕14試合を終え、4勝10敗と借金6で最下位に低迷。攻守でミスが多く、チームとしてまだまだ発展途上の印象が否めない。
主力候補が大不振
新庄剛志監督も悩ましいだろう。
就任1年目の昨季はレギュラーを白紙にして横一線で競争させる方針を打ち出した。故障したジョン・ガント以外のすべての支配下登録選手を1軍で起用。勝負を度外視して育成に振り切った部分もあるだろう。清宮幸太郎、今川優馬、万波中正が初の2ケタ本塁打をマークし、新人だった北山亘基が55試合登板で3勝5敗9セーブ16ホールドと救援で奮闘した。
新庄監督は昨年9月28日の札幌ドーム最終戦・ロッテ戦の試合終了後に行われたセレモニーで、「来年は2位も6位も一緒です。日本一だけを目指してぶれずに戦っていきたいと思います。みなさんついてきてください。札幌ドームありがとう!」と力強く宣言した。
今季はレギュラーを固定し、勝負に徹して頂点を狙うシーズンだったが、石井一成が左肩甲下筋肉離れで4月10日に登録抹消。センターラインで期待された上川畑大悟が打率.182、五十幡亮汰も打率.118と試行錯誤を繰り返している。
「ファンが見たいのは勝利です」
スポーツ紙記者は「1年でチームが成熟するほど簡単な世界ではない。中軸の近藤健介が昨オフにFAで退団したのも大きな痛手です。打線全体に迫力が感じられない。気になるのは、ファンの熱量です。新球場のエスコンフィールドHOKKAIDOは早くも空席が目立つ。監督就任した時は新庄フィーバーで盛り上がりましたが、ファンが見たいのは勝利です。交通アクセスの問題なども観客の足が遠のいている一因ですが、白星を積み重ねなければファン離れが進んでしまう」と厳しい表情を浮かべる。
新球場のこけら落としとなった開幕カードの楽天3連戦は全試合で観客数が3万人を超えたが、4月14日から週末の西武3連戦は2万6602人、2万3269人、2万1725人と観客が減少。「土日で2万人を切るようだとまずい」と球場関係者は危機感を募らせる。スタートダッシュに失敗した日本ハムは、ここから巻き返せるか。(中町顕吾)