巨人ブルペンに「改善見られない」元コーチ指摘 勝ちパ不在「綱渡り継投」の問題点は

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   プロ野球の巨人が2023年4月16日、バンテリンドームで中日と対戦し5-7で敗れリーグ最下位に転落した。中日との3連戦を1勝2敗と負け越し、中日との開幕カードを除き4カード連続で負け越した。開幕から15試合を行い、早くも10敗目を喫した。

  • 巨人・原監督(編集部撮影)
    巨人・原監督(編集部撮影)
  • 巨人・原監督(編集部撮影)

「安心して送り出せるのは大勢投手くらい」

   4位に終わった昨季はチーム防御率、失点ともにリーグワースト。今季は投手力アップが大きな課題だったが、開幕からここまでチーム防御率、失点ともにリーグワーストを記録している。救援陣の勝ちパターンが固定できず苦しい展開が続いている。

   巨人でコーチを務めた橋上秀樹氏(57)は、「昨年からブルペン陣の弱さが数字に出ていたが今年も改善されていない。昨年から伸びしろがあるかと言われれば、鍵谷(陽平)投手や田中(豊樹)投手にしても若い選手ではない。年齢的にも力的にも他の球団とは見劣りすると感じます」と解説し、次のように持論を展開した。

「救援陣では安心して送り出せるのは大勢投手くらいで苦しいやりくりが続いている。当初は勝ちパターンとその他のパターンを色分けはしていたのでしょうけれども今はごっちゃまぜになってしまっている。その時、その時に状態が良いと判断された投手が登板していくことになり、綱渡り的な継投になるのではと感じています」

   セットアッパーとして期待されている新外国人選手のヨアン・ロペス投手(30)は、開幕戦を含めて今季3試合に登板したが制球に苦しみ4月6日に出場選手登録を抹消された。高梨雄平投手(30)は13日に出場選手登録を抹消され2軍で調整している。

「接戦になれば今のブルペン陣では分が悪い」

   橋上氏は「現状勝ちパターンの候補が見当たりませんが、鍵谷投手や田中投手に比べるとロペス投手の方に可能性を感じます。ただ、先発投手で長いイニングを投げることができるのは戸郷(翔征)投手ぐらいなので、接戦の展開で6回、7回あたりに中継ぎ投手が必要になった時、今のブルペン陣では分が悪いと思います」と分析した。

   勝ちパターンの投手を固定できないデメリットに関しては次のように解説した。

「守っている野手が安心して戦えない。勝っていても接戦になった時に自分のチームの投手に不安を持っての守備になる。余計なストレスがかかる中で終盤戦を戦うことになります。野手にとって安心感のある勝ちパターンの投手が登板するのとしないのとではまるで違う。ミスが出やすくなりますし、勝っている試合で終盤に逆転されると精神的ダメージが大きい」

   先発陣に関しては、昨季躍動した若手に元気が見られないと指摘。昨季は赤星優志投手(23)、堀田賢慎投手(21)、平内龍太投手(24)、井上温大投手(21)ら8人の投手がプロ初勝利を飾り、今季の活躍が期待されている。

   橋上氏は「昨年は先発に活きの良い投手が出てきた。何人か初勝利した選手が出てきたが今年に繋がっていない」とし、「上積みというか、育成という点で他球団に比べると滞っている。本来であれば昨年あれだけの若い投手が勝利したので、そのうちの何人かが今年に繋がって飛躍する年になっても良いはず。ただ残念ながら見当たりません」と評した。

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