参政党のボードメンバーである田中義人氏が2023年4月15日、岸田文雄首相の遊説時に爆発物が投げ込まれた事件について、ツイッターで「支持率上げのための仕込みかも」などと投稿して批判が殺到した。田中氏は同日、ツイッターで謝罪。同党副代表兼事務局長の神谷宗幣参院議員も16日、YouTubeの配信で謝罪し、田中氏はボードメンバー辞任の意向を示していると明かした。
「事件そのものが支持率上げのための仕込みかも」
田中氏は15日13時頃、岸田首相が応援演説で訪れた和歌山市の漁港で爆発音がしたとのニュース記事を引用し、「こうした事件があっても、午後のスケジュールはそのままとの事。事件そのものが支持率上げのための仕込みかもと疑ってしまうのは私だけ?」とツイートした。「不謹慎です」「恥を知るべき」などと批判の声が相次ぎ、投稿を削除。同日「軽率なツイートでご迷惑をお掛けしております。この場を借りてお詫び致します。あくまでも個人的な見解であり、所属政党の見解ではありません」と謝罪した。
神谷氏は16日、参政党YouTubeチャンネルのライブ配信の中で、「ボードメンバーの田中よしひとさんが昨日の岸田さんの襲撃といいますか、ああいった暴行に対して、あれが仕込みみたいなもんじゃないのかという風な投稿をされて、あれは党本部としても非常に問題があるなということで、すぐに消してもらうようには指示はしたんですけど」とツイート削除は党本部の指示だったと説明した。
「気持ちはわからなくはないんですね。安倍(晋三・元)総理の時はすぐに午後の演説は中止となったのに現職の総理がそれを中止しないというのはどういうことだというニュアンスだったと思うんですけど」と理解を示しつつも、「それと後段のことは全く別で、あれは自民党に対する批判にもなりますし、選挙期間中ですからそういったネガティブなことをやるのは参政党の理念にも反するので、それはやめて下さいということですぐに言ったら、削除と謝罪はあったんですけど」とした。
「不適切な発言だったということは党本部としても認めて謝罪をしたい」
神谷氏は「本人から改めて連絡がありまして、ボードメンバーは辞任させていただくということで、そういう形で責任取らせてくださいということだった」とも明かし、「ただ僕の一存では決められませんから、今後水曜日にボード会議というスタッフの会議がありますので、その時に皆さんと決定して通知しますということでしたけども、本人からそういった形で責任をとりたいという申し出はありました」と伝えた。
さらに「辞めたから済むというものではないんですね。一回発言してしまったことは事実なので、ただ不適切な発言だったということは党本部としても認めて謝罪をしたいと思います。申し訳ありませんでした」と謝罪した。
田中氏自身も17日朝、ツイッターで「今回の発言の責任を取り、参政党のボードメンバーの辞任を事務局長に伝えました。選挙中のため、19日の会議で決定があるようです」と辞任の意向を伝えたことを明かした。「テロ行為は断じて許されるものではありません」とした上で「安倍元総理の銃撃事件から違和感があり、今回は色々な見方が有るという個人的な考えを投稿しました」「しかし、それにより選挙を頑張っているメンバーにもご迷惑をお掛けする結果となってしまいました。申し訳ありませんでした」と謝罪した。