「入社4日で退職決意」「新卒が2日で6人消えた」...いったい何が? Twitterに見る「スピード退職」問題の難しさ

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   4月に新年度がスタートし、新入社員として働き始める人が多くなる季節になりました。そんな中、Twitterでは新入社員が勤務開始からわずかな期間で退職してしまった、という話題が定期的に拡散されます。

   ツイートまとめサービスのTogetterが解説する「3分くらいでわかる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」、今回は「新入社員の退職」に関する話題を掘り下げます。

  • スピード退職、原因はどこに?(画像はイメージ)
    スピード退職、原因はどこに?(画像はイメージ)
  • スピード退職、原因はどこに?(画像はイメージ)

「退職RTA」は春の風物詩?

   新卒社員が入社直後に退職してしまったとの報告は、毎年のように出てきます。この現象を、ゲームをいかに短時間でクリアするかを競う「RTA(リアルタイムアタック)」になぞらえて「退職RTA」と表現するTwitterユーザーも。

   たとえば2021年の4月1日には、新入社員が出社後2時間で会社から姿を消し、その1時間後にその人の親御さんから退職願いの連絡があった、という報告が注目されました。

「退社RTAかな」新入社員が出社して2時間でいなくなり1時間後に親御さんからもう辞めると連絡があった -Togetter

   投稿者は「社会人11年目ですがここまで速い記録は初めてみました」とコメント。その判断の早さに驚く反応が多い中、「最速5分(で退職した人)がいましたね」「初日に電車賃がないので出勤できませんって電話してきてそのまま辞めた人がいた」といった、さらに短い時間で退職に至ったという報告も複数あがっています。

   23年の4月4日には、24人いた新入社員が、勤務開始から2日目にして18人に減ってしまった、というツイートが驚きを呼びました。

弊社新入社員24人、2日目にして残り18人に「デスゲームかよ」 -Togetter

   投稿者によると、入社日初日に5人が無断欠勤して音信不通になり、2日目に1人が電話での退職を伝えたそうです。

   にわかに信じがたい事態に「1日もこないっていうのはどういう状況なんだろう?」「新人がヤバいのか、会社がヤバいのか」と疑問を投げかける声や、「出勤がたった1日でも入社から退職の手続きをしないといけない総務(人事担当)の事務処理の手間と言ったらない」と現場の混乱を想像する反応もありました。

新卒が出勤4日で退職を考えるまで

   新入社員がわずかな期間で退職してしまう原因について垣間見ることができる例もあります。

   あるTwitterユーザーが、入社して4日目までに退職を決意するに至るまでの実況ツイートが注目を集めました。

ブラック会社に就職した新卒が出勤4日で退社を考えるまで -Togetter

   投稿は2014年4月1日から5日にかけて行われたもの。出社初日から毎日4~5時間の残業が発生しているという報告、残業代が発生しないこと、手当なしの休日出勤を求められ戸惑う様子、入社後2日目にして転職サイトの閲覧を始めた報告など、生々しいツイートが続きます。

   4月5日にはついに「入社4日で退職を決意」と投稿。一連の流れを見たTwitterユーザーからも「4日で辞めたのは良い判断」「初日数日間でこの仕打ちを受ければ辞めたくなる気持ちもわからなくはない」と理解を示す反応が一定以上あがりました。

   別の例として、2017年の5月に投稿された「弊社新入社員全員辞めました」から始まる一連のツイートにも注目すべきポイントがあります。

   投稿したTwitterユーザーによると、新入社員は3人で、全員が辞めた原因として、他の社員がそのユーザーや上司の見ていないところで3人をいじめていたことが発覚したそうです。

「弊社新入社員全員辞めました」ゴールデンウィーク明けにありがちな事かと思ったらもっと深刻な理由だった -Togetter

   投稿者は、「相談に乗った上に先輩として助けることもできずに申し訳なかった」という気持ちで3人を送り出したとつづっています。

   新入社員の早期退職に関する話題は、退職した側に対する「信じられない!」という反応とともに拡散されることが多いですが、この2例を見ると、辞める側にも然るべき理由があるケースもあることが分かります。

ツッコミどころだらけの新人サポート制度

   新入社員の離職率が高い会社では、改善に向けた取り組みを行うこともあります。しかし、その内容が対応する社員にとっては首を傾げたくなる方向性だったという話も。

   ある会社で「新入社員サポーター制度」が始まった、というツイートが注目されました。

   投稿したTwitterユーザーによると、中堅社員1人が新人5人を受け持つ形で「最低月2回飲みに連れていく」という制度で、辞める新入社員が多いことを受けて人事部が打ち出したとのこと。

「新人との月2回の飲み会必須、費用は自腹、報告書あり」......とある会社の「新入社員サポーター制度」が色々とヤバい -Togetter

   注目されたのは、担当社員の負担の多さです。担当社員には業務時間外の対応となり、手当てもなく飲み代は自腹、その上報告書の提出も求められる形だったようです。投稿者も「マズイことに気がついてない人事部はもっとマズイ」と疑問を呈しています。

   投稿を見たTwitterユーザーからは「中堅の離職率も上がるのでは?」といったツッコミから、実際に新入社員向けのサポート制度を導入したものの上手くいかなかった報告などが寄せられました。

   新入社員の離職率を下げるための取り組みも、やり方によってはマイナスに働いてしまう可能性があることを示す例です。

   Twitterの事例を見ると、新入社員の早期退職は決して珍しい出来事ではないことが分かります。新入社員として現状に疑問を抱いている人、先輩社員として新人の離職に頭を悩ませている人ともに、Twitterで過去に注目された話題を辿ると対応のヒントを得ることができるかもしれません。

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド【J-CAST出張版】」でした。今回紹介したTogetterまとめを振り返りたい方はこちらからどうぞ。次回もお楽しみに。

【まとめ一覧】

「退社RTAかな」新入社員が出社して2時間でいなくなり1時間後に親御さんからもう辞めると連絡があった -Togetter

弊社新入社員24人、2日目にして残り18人に「デスゲームかよ」 -Togetter

ブラック会社に就職した新卒が出勤4日で退社を考えるまで -Togetter

「弊社新入社員全員辞めました」ゴールデンウィーク明けにありがちな事かと思ったらもっと深刻な理由だった -Togetter

「新人との月2回の飲み会必須、費用は自腹、報告書あり」......とある会社の「新入社員サポーター制度」が色々とヤバい -Togetter

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