初対面のコミュニケーションで「手足が3本ありません」 僕が身体障害をオープンに伝える理由

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体の話題を自分から振っていくと、初対面でも打ち解けやすくなる

   今の会社に入ってからできた友達に「千紘くんの障害は気にならなくなった」と言われたことがあります。そうなった理由の1つは、僕が自分の体をオープンにしているからかなと思っています。

   出会った当時も、自己紹介で僕の方から手足が3本ないことを伝えていました。「この義足と義手は外れるんだよ!」みたいなことを言ったのを覚えています。向こうも「聞いていいんだ」と思ったのか、いろんな質問をしてくれました。「義足は簡単に外れるの?」「義手は動かないの?」。聞かれたら僕も全部答えました。

   そうやって体の話題を自分から振っていくと、初対面でも打ち解けやすくなります。相手を知る姿勢と自分を知ってもらう姿勢がお互いにあれば、短時間でも距離は縮まります。そのためにも会話は大事。僕は障害が自分の個性だと思っているので何でも話すし、「体のことを話題にしていいんだ」と思ってもらえると一気に距離が近くなっていきます。

   障害に限ったことではないですが、お互いのことをよく知らないと、人は相手に固定観念を持ってしまいがちです。見た目から想像してしまうことも多いです。でも会話などでコミュニケーションを取ってみると、印象が変わることもまた多いです。

   その点、僕がこの体をストロングポイントだと思うのは、多くの人にとって忘れられない出会いになっていることです。どこの現場に行っても、再会した時に僕のことを忘れている人はほぼいなくて、「山田さんですよね」と声をかけてくれます。それは一見すると「マイナス」なこの体を、「プラス」に変えられている例だと思っています。

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