韓国プロ野球史上初の160キロ超え投手が誕生した。国内リーグのハンファ・イーグルスに所属するムン・ドンジュ投手(19)が2023年4月12日のKIAタイガース戦に先発し、初回に160.1キロをマークした。
これまでは158.7キロが最高
地元メディアによると、これまで国内投手の最速は12年に記録された158.7キロで、160キロを超えるのは初めて。現役ではキウム・ヒーローズのエース、アン・ウジン投手の158.4キロが最速だった。
国内最速を計測したのは初回だった。2番打者のパク・チャンホ選手を2ストライクに追い込んだ3球目。ムンが投じたストレートが160.1キロを計測し、パクを見逃し三振に仕留めた。ムンはこの日、6回を投げて3安打6奪三振2失点と試合を作ったが、味方打線の援護がなくチームは0-2で敗れた。
ムンはプロ2年目の右腕で高校時代から注目されていた投手だという。21年のドラフト会議でハンファ・イーグルスに1位で指名され入団。ルーキーイヤーの昨年は13試合に登板して1勝3敗2ホールドだった。
若き投手が国内最速を記録したニュースを地元メディアは興奮を持って伝えた。
スターニュース(WEB版)は、韓国の野球ファンは2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見て160キロを超える投手を擁する日本代表を「羨ましい」と思ったが、韓国にもいよいよ160キロを超える投手が出現したと報じた。WBCでは大谷翔平投手(エンゼルス、28)と佐々木朗希投手(ロッテ、21)が160キロ超えを記録した。
「160キロは誰も記録できない記録だ」
そしてより感動的なのはムンがまだプロ2年目の若い投手であることだとした。ムンはWBCの韓国代表候補に挙がるも代表入りならず。2月のスプリングキャンプで力をつけ、カルロス・スベロ監督から高く評価されたという。
同メディアは、シーズンはまだ始まったばかりで今後暖かくなるにつれ体がほぐれて球速が上がっていくと分析。160キロ超えを果たしたムンがどれだけの速球を投げるかファンの関心が集まっていると指摘した。
スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は、「ムンが韓国野球の未来を明るくした」と称賛した。
同メディアによると、ムンは試合後に「チームが負けて悔しい」とし「160キロは誰も記録できない記録だ。この速球をうまく利用して自信を持って投球したい」と語ったという。