乗用車などにタイヤを取り付ける際、ホイールナットを逆向きに付けてはいけないと、ツイッターで指摘が出て、関心を集めている。
他の機器では、角が丸くなった側を手前にナットを付けることも多いが、車ではそうすると危ないというのだ。その真偽について、アルミホイールの業界団体に取材した。
「逆向きだと、走行中に緩んでホイールが外れる危険がある」
ホイールナットの逆向き装着については、自動車販売の関係者とみられるツイッターユーザーが2023年4月11日、正しい向きとの比較写真を投稿した。
それは、ナットがホイールにはまるナット座の穴が斜めになっているからだという。もし逆向きに付ければ、ナットとナット座にすき間ができて密着せず、振動でナットが緩んでしまうと指摘されていた。
この投稿は、大きな反響を呼び、3万件以上の「いいね」が付いている。リプライには、知らなかったと驚く声も寄せられていた。
他の機器でよくあるように、角が丸くなった方を手前にしてホイールナットに装着するのは、本当にNGなのだろうか。
アルミホイールメーカーの業界団体として活動している日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会のJAWA(ジャパンライトアロイホイールアソシエイション)事業部は12日、ナットとナット座の形状を合わせる必要があるとJ-CASTニュースに取材に説明した。
「形状が合っていませんと、正常に取り付けされているように見えても、走行中に緩んでホイールが外れる危険があります。取り付ける方向を間違えますと、大きなリスクになってしまいます。間違えたまま走行している車がどれだけあるか、過去にタイヤが外れて事故が起きたことがあるかについては、存じ上げていません」
「タイヤ交換は、基本的に専門店でやってもらうのが一番」
JAWAによると、穴が斜めになっているナット座は、「60度テーパー座」と呼ばれ、一般的なアルミホイールがこれを使っている。トヨタ車は穴が円柱状になっている「平面座」、ホンダ車は穴が曲線になっている「球面座」を使っているケースが多いという。
JAWAでは、タイヤ交換は、基本的にドライバーが自らやるべきではないと指摘する。
「確かに、パンクなどの緊急時にはスペアタイヤへの交換といった作業はあるかもしれません。しかし、今は、スペアタイヤを積まないのが一般的になっており、通常はロードサービスを呼んで対応すると思います。ホイールナットの取り付けには、締め付けの推奨トルクがありますし、タイヤ交換は、専門店でプロに作業してもらうのが一番でしょう。スタッドレスタイヤへの交換も、今はほとんどお店でやってもらっているのではないでしょうか」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)