プロボクシングのWBA・IBF世界スーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、28)が2023年4月9日、米テキサス州でIBF同級1位マーロン・タパレス(フィリピン、31)と対戦し1-2の判定負けを喫した。アフマダリエフはプロ12戦目で初黒星となった。
「想像以上にアフマダリエフ選手のデキが悪かった」
サウスポー同士の一戦は、序盤からタパレスが積極的にパンチを放ちアフマダリエフが迎え撃つ展開。中盤から終盤にかけてアフマダリエフが攻勢に出てペースを握った。一進一退の攻防が続き勝負は判定に。2人のジャッジが2ポイント差でタパレスを支持し、残り1人が8ポイント差でアフマダリエフを支持した。
無敗王者が「伏兵」に敗れ王座陥落。WBA王座の次期挑戦者の権利を有する同級1位・亀田和毅(TMK、31)のターゲットはタパレスとなった。果たしてすんなり世界戦が実現するのか。J-CASTニュース編集部は、亀田が所属するTMKジムの金平桂一郎会長(57)に話を聞いた。
タイトル戦を映像で見たという金平氏は「想像以上にアフマダリエフ選手のデキが悪かった。意外でした。アフマダリエフ選手がKOもしくは判定で勝つと思っていましたから。12ラウンドが終了した時、アフマダリエフ選手の手が挙がるだろうと思ったくらいの接戦でした。2対1の採点でしたが、アフマダリエフ選手の手が挙がっていてもおかしくはない内容でした」と振り返った。
金平会長によると、現地でタイトル戦を観戦した亀田は新王者との対戦に自信を見せたという。
「交渉のタイミングを計っている段階」
金平会長は「タパレス選手が次のターゲットになる。対戦すれば当然、和毅が勝ちます。十分に勝機がありKOできる。タパレス選手の印象は、全体的にスピードがなく結構打たせる。怖いのは思い切り打ってくる1発。スピード、テクニックに関してはサプライズ的なものはなく、和毅と対戦すれば自信がある」とした。
スーパーバンタム級は元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)が転級したことにより世界的に注目を集める。井上は7月にWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)に挑戦する予定だ。タパレスの母国メディアは、早くも井上との王座統一戦に期待を寄せるなど盛り上がりを見せている。
新王者陣営の動向は不透明だが、金平会長は「我々は次期挑戦者としての権利を持っているので権利を行使するだけです」とし、「タパレス陣営と交渉のタイミングを計っている段階です」と明かした。
近日中にも交渉を開始し、10月の日本開催を目指す。金平会長は「和毅は海外で世界戦を組むことが多かったので今度は国内でやらせてあげたいという気持ちが強い。万全の準備をしてやりたい」と語った。
Some fireworks to start the 5th ??#RodriguezGonzalez pic.twitter.com/MIoHJGCk93
— DAZN Boxing (@DAZNBoxing) April 9, 2023