巨人が攻守でかみ合わない。2023年4月9日の広島戦(マツダ)に敗れて5連敗。開幕9試合を終えて3勝6敗で早くも借金が3にふくらんだ。
「チーム全体が落ち着いていない」
低調な打線のテコ入れに動いたが、功を奏さない。打撃不振の丸佳浩、吉川尚輝が今季初のスタメン落ち、下位を打っていた坂本勇人を「2番・遊撃」で起用した。初回にオコエ瑠偉が先頭打者アーチを放って幸先よく先制するが、その後はあと1本が出ない。
5回に代打で出場した松田宣浩がプロ入り後初の二塁に入ったが失策するなど、原辰徳監督のサプライズ采配も空回り。広島を上回る8安打を打ちながら2得点に終わり、敵地・マツダで同一カード3連敗を喫した。
スポーツ紙記者は「まだ開幕10試合を消化していないと楽観視はできません。坂本がオープン戦から打撃不振で開幕からも快音が聞かれず、開幕5戦目でスタメン落ち。吉川、丸も状態が上がらずにベンチスタートになるなど、チーム全体が落ち着いていない。投手陣に目を移しても先発、救援共に層が薄く、これから上昇する雰囲気が感じられない」と指摘する。
侍ジャパンで大活躍した4番の岡本和真が絶好調なだけに、チャンスの場面で回ってこないのがもどかしい。打率.441のハイアベレージをマークしているにも関わらず、打点ゼロ。打線で開幕から打順が固定されているのは岡本と、5番の中田翔のみ。ブリンソンは打率.310、1本塁打、6打点の好成績だが、アウトカウントを間違える走塁ミスでボーンヘッドを犯すなど攻守でプレーが軽く感じてしまう。
チームで核になる選手が少ない状況では、相手に重圧を与えられない。投手陣も8回を託すはずだった新外国人のロペスが3試合登板で防御率4.50と不安定な内容で、4月6日に登録抹消。守護神・大勢につなぐ勝利の方程式を構築できていない。
巨人ファンのフラストレーションがたまる中、どのようにチームを立て直すか。原監督の手腕が問われる。(中町顕吾)