那須川天心は「パワー不足ではない」デビュー戦を識者分析 コツさえつかめば「KOパンチャーになる可能性十分」

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   キックボクシングからプロボクシングに転向した那須川天心(帝拳、24)が2023年4月8日、有明アリーナでスーパーバンタム級6回戦を行い、日本バンタム級2位・与那覇勇気(真正、32)を3-0の判定で破りデビュー戦を勝利で飾った。

  • 那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
    那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)
  • 那須川天心選手(写真:山口フィニート裕朗/アフロ)

「デビュー戦とは思えない落ち着きがあった」

   試合は那須川がスピードで圧倒し、2回には右フックでダウンを奪うなど的確なパンチを打ち込みポイントを積み重ねた。気迫あふれる与那覇を倒すことができず判定までもつれ込んだが、ほとんどパンチをもらうことがなく危なげない勝利だった。

   格闘技ファンの注目を集めたボクシングデビュー戦で日本ランカーに圧勝した那須川。ボクシングのセンス、技術は本物か。J-CASTニュース編集部は、数々の世界王者をプロモートしてきたTMKジムの金平桂一郎会長(57)に那須川のボクシングを分析してもらった。

   キックボクシング時代から那須川のファイトを見てきたという金平会長は「ボクシングがうまい。伸びしろを感じました」とし、「ひと目でボクサーとしての能力の高さ、およそデビュー戦とは思えない落ち着きがあった」と高く評価した。

   この日はキックボクシングでは経験したことがなかった6ラウンドを戦い抜いた。スピードのある左ストレートや右フックを何度も与那覇の顔面に打ち込んだが、倒しきれず、期待されたKOデビューはならなかった。

「コツをつかめばKOできる」

   金平会長は那須川のパンチ力について「パワー不足ではない」と指摘し、KOをするためにはパンチの打ち方に改善の余地があるとした。

「あれだけパンチを当てるのが上手いのに、相手のダメージがそこまで深刻ではなかった。相手を倒すパンチ、相手を脅かすパンチがなかった。改善の余地があると思います。もっと意識をしてパンチに強弱をつけるとか。KOとはコツ。コツをつかめばKOできる。今は一発必殺のパンチはないが、あれだけ当てるのが上手いのでコツさえつかめばKOが増えるでしょう」

   金平会長はかつて世界戦をプロモートしたWBC世界フライ級王者ユーリ・アルバチャコフ氏(ロシア)の例を挙げ、那須川の今後に重ね合わせた。ユーリ氏はアマチュアの世界選手権で金メダルを獲得し90年2月に日本でプロデビューした。

「ユーリ選手はデビュー戦でパワー不足を指摘されました。1発の決定力がないと。ユーリ選手は決してパンチ力がない選手ではありませんでした。第2戦目からパンチの打ち方を変え、あえて重心を落としました。腰高だったデビュー戦の時よりも重心を落とすことでパンチ力が増し、徐々にアジャストしていきました。その結果、パンチにより体重が乗りKOパンチャーになりました。那須川選手は当て勘が非常に良いのでユーリ選手のようにKOパンチャーになる可能性は十分にあると思います」

   スポーツ紙などの報道によると、次戦は8月に予定しており8回戦を計画している。

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