新路線開業でモノレールの立場はどうなる? 羽田アクセス線にタモリも疑問...担当者の答えは

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   JR東日本は2023年4月4日、羽田空港と東京都心を結ぶ新路線「羽田空港アクセス線」(仮称)のうち、東京駅を通る「東山手ルート」の起工式を6月に行い、31年度に開業すると発表した。これまで29年度の開業を目指していたが、トンネル工事などに時間がかかるとして2年間遅らせた。

   工事区間は12.4キロ。そのうち3.4キロは、汐留と大井埠頭にある東京貨物ターミナルを結ぶために設けられ、1988年から鉄道事業を休止している「大汐線」を改修して使用する。競合するとみられるのが、比較的近くを走る東京モノレールで、発表直後には心配の声も相次いだ。その声に一足早く応えていたのが2023年4月1日放送の「ブラタモリ」(NHK)だ。番組は大汐線でも撮影され、アクセス線の話題も登場。タモリさんは「モノレールの立場はどうなるんです?」と疑問をぶつけていた。

  • 羽田空港へのアクセスがさらに便利になりそうだ
    羽田空港へのアクセスがさらに便利になりそうだ
  • 「羽田空港アクセス線」(仮称)の工事区間は12.4キロにおよぶ(写真はJR東日本の発表資料から)
    「羽田空港アクセス線」(仮称)の工事区間は12.4キロにおよぶ(写真はJR東日本の発表資料から)
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  • 「羽田空港アクセス線」(仮称)の工事区間は12.4キロにおよぶ(写真はJR東日本の発表資料から)

「モノレールの立場はどうなるんです?」

   アクセス線が開業すると、羽田空港と東京駅は乗り換えなしで約18分で結ばれ、今よりも12分ほど短縮される。新ルートは、新たに作る連絡線を通じて、田町駅付近で東海道線から大汐線に入り、東京貨物ターミナルを経由する。その先に新たに掘る約4.2キロの地下トンネルを通って、第2旅客ターミナル付近に建設される新駅に到着する。

   「ブラタモリ」の4月1日の放送は「汐留は江戸東京のフロンティア?」と題した内容で、終盤に大汐線の線路から撮影するシーンが登場した。大汐線を改修して羽田空港に通じる路線の計画を聞いたタモリさんは、「これ使うんですか!」と感心した様子で、矢継ぎ早に「モノレールの立場はどうなるんです?」とも質問した。モノレールは浜松町と羽田空港第2ターミナル間を最速18分で結び、この点を意識した質問だ。

   JR東日本の担当者は

「モノレールもですね、いろいろ途中に駅があってですね、そういう意味では役割を果たしていくのでは...」

と話し、すみ分けはできるとの考えを示した。JR東日本は東京モノレール株の79.0%(議決権ベース)を保有しており、連結子会社のひとつだ。

モノレール駅の利用者数ランキングは...?

   東京モノレールで1日あたりの利用者が最も多い駅はモノレール浜松町だ。コロナ禍で航空需要が激減する直前の19年度の実績では11万7370人。次に多いのが天王洲アイルの3万4128人で、羽田空港第2ターミナル(2万9417人)、羽田空港第1ターミナル(2万7549人)、流通センター(2万0525人)、天空橋(1万3075人)、大井競馬場前(1万1361人)、羽田空港第3ターミナル(1万0074人)と続く。空港へのアクセス以外にも、沿線施設へのアクセスを担う役割も大きいことがわかる。

   JR東は「東山手ルート」以外に、新宿や大崎を通る「西山手ルート」、新木場方面から、りんかい線を通る「臨海部ルート」の2ルートも計画している。両ルートの開業予定は現時点では未定だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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