あらかじめ見える「着地点」
この疑問に対し、「ネットと朝ドラ」の著書で知られるライターの木俣冬氏は、「ちむどんどん」や「舞いあがれ!」の後に「らんまん」の放送が始まったことが、視聴者から、モデルが存在しており、無難で王道な朝ドラを期待する声が上がりやすい状況を作り出した可能性はあると指摘する。
「『ちむどんどん』はヒロインとその兄妹がマイペースすぎました。また、『舞いあがれ!』はパイロットになるかと思ったら、なかなかなりませんでした。これらの展開に拍子抜けした視聴者は、あらかじめ着地点が見えた上で、しんどくない程度に紆余曲折があって、真摯な努力が報われるものを見て心穏やかに過ごしたいという思いはあるかもしれません」
とはいえ、作風が無難なものや王道なものになったところで、視聴者は満足するのか。
「なったらなったで、もっと意外性や刺激が欲しいと思うものでしょう。人間はないものねだりなものですから」