「強力な粘着力で諦めました」鍋のガラス蓋シールなぜ剝がしづらい? メーカーが「泣く泣く」こだわる理由

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   鍋のシールから「剥がしてほしくない強い意志を感じます」――利用者の素朴な感想に対する、調理器具メーカー・和平フレイズ(新潟県燕市)の解説がツイッターで注目を集めている。

   J-CASTニュースの取材に対し、ツイッター担当者は2023年4月6日、シールの種類によっては、はがさずに使用して欲しいと説明する。

  • 鍋のガラス蓋シールなぜ剝がしづらい?(写真はイメージ)
    鍋のガラス蓋シールなぜ剝がしづらい?(写真はイメージ)
  • ガラス蓋の剥がして欲しくないシール
    ガラス蓋の剥がして欲しくないシール
  • 本体の剥がして欲しいシール
    本体の剥がして欲しいシール
  • 鍋のガラス蓋シールなぜ剝がしづらい?(写真はイメージ)
  • ガラス蓋の剥がして欲しくないシール
  • 本体の剥がして欲しいシール

「シールを剥がそうとして強力な粘着力で諦めました」

   和平フレイズはツイッターで、自社製の調理器具に関するライフハックを発信している。3月27日には「調理中で一番危険な使用方法」として、ガラス蓋の扱いについて紹介した。

「『お玉を入れたまま蓋をする』と反対側に炎が上がり、はみ出たガラス部分に直火があたって突然割れてしまいます。火力の問題ではありません」

   鍋にガラス蓋を用いる際はお玉を入れっぱなしにしないよう呼びかけ、1万1000件を超えるリツイート、1万2000件を超える「いいね」が寄せられるなど大きな注目を集めた。ユーザーからは、ガラス蓋に張り付けられたシールに対しても疑問が寄せられた。

「和平フレイズさんのこのシールを剥がそうとして強力な粘着力で諦めました。剥がしてほしくない強い意志を感じます」

   和平フレイズのツイッター担当者は4月5日、この投稿について言及し「まさにその通りで、強粘着のりを使用しています」と説明する。

   このツイートは約3000件のリツイート、1万件超の「いいね」が寄せられる反響があった。中には「見た目を重視するなら剥がしたい」という声もあったが、和平フレイズは「はがさないでほしい」と繰り返し訴える。

剥がしてはいけないシールは「法令遵守」のため

   取材に対し担当者は、商品本体に貼られているシールは、目的に応じて複数の種類があると説明する。本体に張り付けられているシールは、バーコードや品名、品番などの表示やプロモーションのためのものだ。担当者は「あくまで流通上での使用を目的としていますので、材質上耐熱・耐水性がないため、使用時は剥がしてから使用していただきたい」と訴える。

   これらのシールのはがし方については、ツイートで次のように紹介している。

「・ドライヤーで温めてからゆっくりはがしてください。    ・お湯に浸してシールを柔らかくしてはがしてください。
・市販のシールはがし専用液や除光液を使用してください」

   一方、鍋のガラス蓋やハンドルに張られた注意喚起のためのシールはそのまま利用して欲しいという。シールを強力に張り付ける理由については次のように説明した。

「家庭用品品質表示法の対象区分に『強化ガラス製器具』があり、法令に定めた表示義務事項がございます。
表示方法に『販売最小単位ごとに、消費者に見やすい箇所に分かりやすく記載する』『本体から容易に離れない方法で表示する』とありますので、弊社は法令遵守で強力なシールで貼り付けています」

   ツイートでも「現状は泣く泣く強力な粘着力で剥がれないようにしております」と事情を明かしており、「みなさまの貴重なご意見も、今後反映する方法を検討してまいります」としている。

   担当者は、ガラス蓋に関する一連のツイートが大きな注目を集めたことには驚きながら、改めて注意事項や取扱説明書を確認するきっかけにしてほしいと述べた。

「毎年数件、調理中にガラス蓋が突然割れてしまったお客様から、深い悲しみと強いお怒りのお申し出を頂きますから少しでも注意喚起が届けば幸いです」

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