音楽家の坂本龍一さんが2023年3月28日に71歳で亡くなった。訃報後初の平日となった4月3日には、テレビ各局がニュース番組で相次いで坂本さんの死を報じた。
ニュースでは、坂本さんのイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)時代を振り返る際に、グループの代表曲「ライディーン」が放送されるケースが目立った。ただ、同楽曲を作曲したのは坂本さんではなく、1月に亡くなった高橋幸宏さんであったことから、ファンの間では疑問の声が聞かれている。
「なぜどの局もライディーンなの?」
東京都出身の坂本さんは東京芸術大学大学院を卒業後、1978年に細野晴臣さん、高橋幸宏さんとYMOを結成。シンセサイザーを使ったテクノポップサウンドを生み出し、社会現象を巻き起こした。83年には大島渚監督の映画「戦場のメリークリスマス」に出演し、主題歌も制作。87年には「ラストエンペラー」の楽曲を手がけ、グラミー賞やアカデミー作曲賞を受賞するなど、音楽家として国際的な評価を高めていった。22年6月にはステージ4のがんであることを発表していた。
23年4月2日に本人の公式SNSなどで、坂本さんが3月28日に亡くなったことが発表されると、翌3日にはテレビ各局が相次いで訃報を伝えた。訃報では、YMO時代から晩年の活動までが総括的に伝えられ、坂本さんがこれまで関わった楽曲がBGMとして流れた。しかし、ニュースを見たSNS上のファンからは、こんな声が聞かれている。
「なぜどの局もライディーンなの?」
「ニュース、情報番組、ライディーンばかり流すのはどうかと」
「何でテレビはライディーンを流したんだろう。YMOの曲は全部坂本龍一が作ったと思ってるのかな?」
ファンが違和感を抱いたのは、坂本さんのYMO時代の活躍を振り返るシーンで、坂本さんが印象的なシンセサイザーのフレーズを弾いた代表曲「ライディーン」がBGMに使われたこと。同曲は1月に70歳で亡くなった高橋さんの作曲した楽曲であり、坂本さん作曲のYMO楽曲を使ってほしいとの声が相次いだのだ。
具体的に名前が挙がったのは、東洋的なメロディが印象的な「東風」やアップテンポな「テクノポリス」、米歌手マイケル・ジャクソンさんがカバーしたことでも知られる「ビハインド・ザ・マスク」といった楽曲。いずれもYMOを代表する人気曲だ。