大手広告代理店「博報堂」が発行する雑誌で、ジャニーズ事務所の創業者・ジャニー喜多川氏に関する記述が削除された騒動で、編集長の小野直紀氏は2023年4月4日、経緯を説明した。
会社の対応を「ビジネスパートナーへの配慮(忖度)に集中してしまい、社会や著作者・著作物に対する配慮(敬意)が後回しになったのでしょう」と非難し、企業体質の改善を求めている。
「セクシュアル・ハラスメントの問題」削除
2023年3月31日発売の『広告』最新号(Vol.417)では、「ジャニーズは、いかに大衆文化たりうるのか」と題し、社会学者・田島悠来氏と批評家・矢野利裕氏の対談記事を掲載した。
しかし、記事末尾には「本記事は、ビジネスパートナーであるジャニーズ事務所への配慮の観点から、博報堂広報室長の判断により一部表現を削除しています」と記され、矢野氏がインターネット上で、ジャニー喜多川氏の「セクシュアル・ハラスメントの問題」が削除されたと打ち明けていた。
博報堂広報室は3日、J-CASTニュースの取材に「当社のビジネス上配慮が必要とした原稿に関しては、掲載の可否含め編集長と相談の上、判断をしています」と答えていた(詳報:博報堂、雑誌からジャニー喜多川氏巡る記述削除 広報が判断...「ビジネスパートナーへの配慮のため」)。
編集長の小野氏は4日、投稿サイト「note」で、広報室の許可を得たとして経緯を説明している。