パスポート申請のオンライン化、使い勝手は? 記者が試して感じた「つまずきそうなポイント」

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   パスポート発行の申請が2023年3月27日から、オンラインでもできるようになった。従来は申請と受け取りの2回窓口に出向く必要があったが、受け取りの1回で済むようになる。紙による申請も従来どおり受け付ける。

   オンライン手続きは、マイナンバーカードをスマホの上にかざして「マイナポータル」にログインするところから始まる。記者の場合、試行錯誤しながら更新の申請を1時間弱で終えた。つまずきそうなポイントをまとめた。

  • オンライン申請では、ICチップの読み取りが「難関」。ページの写真を送ることでも手続きは進められる
    オンライン申請では、ICチップの読み取りが「難関」。ページの写真を送ることでも手続きは進められる
  • オンライン申請では、ICチップの読み取りが「難関」。ページの写真を送ることでも手続きは進められる

本籍地と「英数字6~16桁」の「署名用電子証明書のパスワード」を事前に確認

   国内から申請する場合、切替(更新)申請は全47都道府県でできるようになった。新規申請は、現時点では千葉や大阪、大分など13府県の全市町村と茨城など3県の一部市町村に留まるが、今後増やしていきたい考えだ。

   更新申請に必要なのは、(1)現在有効なパスポート(2)マイナンバーカード(3)「マイナポータル」アプリがインストールされたスマートフォン、の3点。それ以外にも、申請に必要な情報は事前に確認しておく必要がある。

   例えば、申請に必要な本籍の情報は、マイナンバーカードやパスポートには記載されていない。さらに、終盤には「署名用電子証明書のパスワード」の入力が必要だ。マイナポータルにログインするための4桁の暗証番号ではなく、「英数字6~16桁」のパスワードだ。この2つは事前に確認しておかないと、手間取ることになる。

   顔写真や署名は、申請中に「カメラを起動して撮影」した画像が使える。ただ、写りにこだわりたいのであれば、事前に撮影したりスキャンしたりしたデータをスマホに転送して使用した方が良さそうだ。大きさは、それぞれ「横600×縦730ピクセル、600KB以内」「横788×縦284ピクセル、200KB以内」だ。

ICチップが読み取れなくても大丈夫

   申請は、大きく「マイナポータルにログイン→トップページのバナーから申し込み画面に移動→居住地と受け取る窓口を選ぶ→顔写真&自署のアップロード→申請者情報の入力→パスポートのICチップの読み取り→マイナンバーカードの読み取り→署名用電子証明書のパスワード入力」と続く。

   作業に手間取ったのは大きくふたつ。ひとつが、終盤の「パスポートのICチップの読み取り」で、何回試しても読み取ることができなかった。ただ、「読み取り開始」のボタンの下には「何度か試してもパスポートが読み取れない方」の表示。ICチップを読み込む代わりに、顔写真のページなど3ページ分の写真を送信して、手続きを進めることができた。

   もうひとつが、作成したデータを「保存して中断」する機能だ。記者の環境(iPhone14 Pro Max)で作成を再開しようとすると、エラーが発生する現象に悩まされた。ただ、このエラー(ELM123)は、「よくあるご質問」コーナーにも記載があり、「ご利用しているスマートフォンにてマイナポータルアプリを終了し、再度申請を行ってください」。アプリを再起動し、作業を続行することができた。

   さらに、作成途中のデータがどこに保存されているか分かりにくいため、注意が必要だ。iPhoneの場合、「ファイルを選択」を選び「ブラウズ→このiPhone内→マイナポータル」と、たどっていく必要がある。

   申し込み画面では「申請が受理されてから5~7開庁日後を目途に交付が可能になります」と説明されている。申請から丸1日が経過した3月29日17時頃に「マイナポータルから申請・届出に関する連絡です」と題したメールが届き、マイナポータルには「【旅券申請に関するお知らせ】受取の依頼」のメッセージ。QRコード入りの「受付票」のPDFファイルが添付されていた。

   4月4日以降、窓口に「受付票」と現在のパスポートを持参し、手数料を支払えば新しいパスポートを受け取れるという。手数料をクレジットカードで支払えるのは現時点では鳥取県のみ。多くの自治体では、これまでどおり事前に収入印紙を購入する必要がある。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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