「うーん...」立憲・泉代表が一瞬絶句 「サル発言」小西洋之氏めぐる会見質問に「対応考えねば」

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   立憲民主党の泉健太代表は2023年3月31日の定例会見で、衆院憲法審査会をめぐる「サル」「蛮族」発言が問題になっていた小西洋之参院議員について、参院憲法審査会の野党筆頭幹事から更迭すると発表した。

   小西氏の発言については、「改めて我が党としても謝罪を申し上げたい。こういった発言は党の見解とは異なる」などと陳謝。小西氏に注意したことも明らかにした。発言は、共同通信が配信した記事を産経新聞がウェブサイトに掲載し、一気に拡散した。会見では、産経新聞の記者に対して、小西氏が記事に追記を要求し、応じなければ法的措置をとる、とLINEで伝えていたことも取り上げられた。これを聞かされた泉氏は「うーん...」と一瞬絶句し、小西氏には「節度に足らなさがあったのではないか」と指摘。改めて陳謝した。

  • 記者会見する立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党の配信動画から)
    記者会見する立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党の配信動画から)
  • 記者会見する立憲民主党の泉健太代表(写真は立憲民主党の配信動画から)

「他者に対しても敬意を持つということは最低限議員として取るべき姿勢」

   泉氏は小西氏の発言について、

「思い余って自制心をなくして他者を攻撃するばかり、ということになってはいけない。常に節度を持って、国を良くしたい国民生活を良くしたいという思いで、各政党が手段手法政策は違っても、それぞれのアプローチの仕方で議会政治に取り組んでいるので、他者に対しても敬意を持つということは最低限議員として取るべき姿勢」

などと述べた。ただ、筆頭幹事更迭以外の対応については、

「党で、例えば何らかの機関が対応するかどうか、という判断になっていくところ。今何か、それについて考えているということではない」

としていた。

   泉氏から注意を受けた小西氏の反応については「一つ一つをつまびらかにする話というよりも、私として、やはり今の発言というのは行き過ぎていると注意をしたということだ」と述べるにとどめた。小西氏が注意を受け止めたのか、反論したのかは不明だ

   泉氏の顔色が変わったのが会見中盤。産経新聞記者が小西氏から送られてきたLINEの内容を読み上げた時だ。

「オフレコで、しかもその場で撤回した発言をよくも書くなあと呆れますが、書くのであれば以下の発言をちゃんと追記するように伝えてください。修正しないなら意図的な記事として、法的措置をとります」

   具体的な修正文言まで書かれていたといい、記者は「どう考えても編集権への介入だと思う」として見解を求めた。泉氏は苦渋の表情で

「うーん...。あー、まぁ、本当に自身で、例えば大きな問題を発見をして、それを問いただす。これは、尊い出発点だというところはあると思うんですが...」

と若干のフォローを試みたものの、視野狭窄(きょうさく)ぶりについて次のように述べた。

「自分の戦いに、あまりに目を集中させすぎて周りが見えなくなってしまってはいけないということを常に気をつけないといけない。そういうときだからこそ、周りの意見を聞いたり他者の意見を聞いたり冷静な目で考えたり、ということがやはり大事。これは役所の皆さんと、例えばレクの仕方等々も含めて、人に対して自らの考え方・認識で、周りをとにかく押しのけてというか...、自説の主張のために最短距離をただ走ろうと思ってしまってはいけない」

   その上で、記者に対して

「そういった節度に、やっぱり足らなさがあったのではないかと感じますね。申し訳ございません」

と陳謝。

「今、そのお話があったということを受けとめて、我々としては対応を考えていかなければならない」

と述べた。

「私の発言報道により不快な思いをされた方々にはおわび」

   小西氏は3月30日午後、記者会見を開き、

「オフレコの場面で即時の撤回修正などをしたものではあるが、私の発言報道により不快な思いをされた方々にはおわびを申し上げたい」

と述べた。会見では、(1)発言がオフレコだったか(2)「サル」発言を直後に撤回したか、について記者団と見解が対立。小西氏は特に、(2)抜きで報じられたことや、憲法審開催のあり方をめぐる持論が盛り込まれなかったことを「切り抜き」だとする不満を繰り返し口にした。小西氏は

「こういう報道をするのであれば、即時に撤回しているわけだから、発言の真意を再取材するはず」

などと主張し、

「こういう報道のあり方が...報道というよりは、残念ながらちょっと言葉は控えた方がいいかもしれないが、法的に問題のある表現行為があったのではないかというふうに、今顧問弁護士とも相談をしている」

とも発言。自らの発言をめぐる報道が違法だとして提訴の可能性を模索していることも明らかにしている。

   この会見でも、小西氏が産経記者に送った前出のLINEをめぐるやり取りがあった。小西氏は 「国会議員が信頼を持って送っているものを読み上げるというのはあまりないと思いますけど...」 と不快感を示した上で、産経新聞の阿比留瑠比・論説委員兼政治部編集委員のフェイスブックの書き込みで名誉を傷つけられたとして提訴し、勝訴が確定したことに言及。

「この間、産経新聞の関係者から明確な違法行為を受けている。そうした経験をもとに、そうしたことを申し上げている」
「編集権の介入について言う正当性はない。あるなら、この場で聞かせてほしい」

と主張した。産経記者は、問題の発言の場には居合わせていなかったという。

   泉氏によると、党としては、この会見が開かれることは事前に把握していなかった。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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