小西洋之氏「サル」「蛮族」発言、党内外で波紋 本人はNHKに矛先...「あらゆる手段で報道姿勢の改善求めたい」「集団訴訟も検討」

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   立憲民主党の小西洋之参院議員が、衆院憲法審査会が週1回のペースで開催されていることについて「サルがやること」などと批判した。これを受け、2023年3月30日午前の衆院憲法審査会では出席者から批判の声が相次いだ。

   「誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけ」だという発言への反発や、小西氏が「憲法学者」だという点の確認を求めるものなど、その内容はさまざま。「お猿さんに対しても失礼」だという声もあった。

  • 立憲民主党の小西洋之参院議員(2017年撮影)
    立憲民主党の小西洋之参院議員(2017年撮影)
  • 衆院憲法審査会で発言する日本維新の会の小野泰輔衆院議員。小西氏の発言は「お猿さんに対しても失礼だと思う」だと述べた(写真は衆院インターネット中継から)
    衆院憲法審査会で発言する日本維新の会の小野泰輔衆院議員。小西氏の発言は「お猿さんに対しても失礼だと思う」だと述べた(写真は衆院インターネット中継から)
  • 立憲民主党の小西洋之参院議員(2017年撮影)
  • 衆院憲法審査会で発言する日本維新の会の小野泰輔衆院議員。小西氏の発言は「お猿さんに対しても失礼だと思う」だと述べた(写真は衆院インターネット中継から)

「私は自分で自分の原稿をちゃんと書いている」

   発言は3月29日に行われた参院憲法審の幹事懇談会後のものだとされる。共同通信が最初に報じ、産経新聞のウェブサイトに掲載されて一気に拡散。フジテレビ、NHKなどが続いた。共同によると、小西氏は毎週の開催について

「憲法のことなんか考えないサルがやることだ」
「何も考えていない人たち、蛮族の行為だ。野蛮だ」

と批判し、

「憲法を真面目に議論しようとしたら毎週開催なんてできるわけがない。私は憲法学者だが、毎週議論はできない」
「いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」

などと述べたという。

   翌3月30日午前には、小西氏に謝罪を求める声が相次ぎ、対応を会長の森英介衆院議員(自民)に一任することを決めた。

   日本維新の会の三木圭恵衆院議員は、

「私は自分で自分の原稿をちゃんと書いている。これは衆議院憲法審査会に対する侮辱ではないですか?」
「私たちは真摯に議論を積み重ねてきている。それをサルだの蛮族だのと言われると、やはりこれはちょっと我慢ができない」

と憤った。

   見解を求められた野党筆頭幹事の中川正春衆院議員(立憲)は「私達にとって...私自身も納得していないということなんですが...」。小西氏に直接確認した上で、「また対処させていただきたい」とした。

「唯一驚いてるのは『憲法学者だった』という風に...」→議場に笑い

   国民民主党の玉木雄一郎代表は、

「私たちはサルでも蛮族でもないと思うが、こういった発言は我が党のみならず、与野党合意の中で真摯な議論を重ねてきた当衆議院憲法審査会に対する冒涜だ」

と述べた。

   衆院会派「有志の会」の北神圭朗衆院議員は「皆さんと同様、抗議を表したい。そして小西洋之先生らしい発言だと思う」。その上で

「ただ私が唯一驚いてるのは『憲法学者だった』という風におっしゃっているので、これもあわせて、会長に確認をいただければ」

と発言すると、議場からは笑いが起きた。

   違った角度で発言を批判したのは日本維新の会の小野泰輔衆院議員で、

「サルという比喩を、どういう意図を持って使ったのかは分からないが、そもそも、我々衆議院憲法審査会のメンバー全員にとって容認しがたい発言だということはもちろんで、お猿さんに対しても失礼だと思う」

と発言。サルと人間を次のように対比した。

「お猿さんは我々人間のように堂々めぐりの議論はしない。厳しい自然の中でどのようにして、自らと家族の職業、住まいを確保するのかということを考えて、テリトリーを守る。そのために家族社会の秩序を作り、その維持のために日々努力している。それに比べて我々はどうだろうか。激変する国際情勢や社会環境の中、憲法上問題となる諸課題の解決について何十年も、残念ながら、言いっぱなしの状態が続いてきた」

「我が党としても、お猿さんのように、ひたむきに取り組んでいく」

   その上で

「謝罪、そして昔は『反省ザル』というものがあったが、反省もしていただきたい」

と述べ、「本論」の緊急事態条項のあり方について説明。

「本日からさらなる具体的な議論を進められるよう、我が党としても、お猿さんのように、ひたむきに取り組んでいくことをお誓いを申し上げまして、私の発言といたします」

と締めくくった。

   他の議員の「代打」で出席した立憲の米山隆一衆院議員は「我が党からちょっと言葉が過ぎた発言があったということは非常に残念に思っている」とした上で、ハイペースの開催であっても議論に臨んでいきたい考えだ。

「上品な言葉で議論するのは非常に大好きなので、この開催が1年に1回であろうが、1か月に1回であろうが1週間に1回であろうが1日1回だろうが、お呼びいただければいつでも護憲の立場から議論する」

産経、フジは「今後一切の取材を拒否」、NHKには「集団訴訟なども検討」

   小西氏は3月29日夜のツイートで、報じられた発言について

「オフレコで、特に『人にサルはいけないですね』と撤回していたものです」

と釈明する一方で、衆院の開催状況について「毎週開催は戦慄の害悪」だと改めて非難した。

   発言を報じた産経とフジテレビについては「今後一切の取材を拒否」するとともに、NHKとフジテレビは放送法違反の偏向報道を行っているとして「放送法などあらゆる手段を講じて、その報道姿勢の改善を求めたい」。弁護士費用などにあてるための寄付を呼びかけた。特にNHKについては受信料を徴収する法的正当性がないとして「集団訴訟なども検討したいと思います!」とした。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

(3月31日16時05分追記)小西氏の発言を初めて報じた媒体に関する説明を修正しました。

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