設計事務所大手「山下設計」が、花見の名所で無人の場所取りをしていたとして、SNSで批判を集めている。
同社は取材に事実関係を認め、「今後はこのようなことが無いよう社内周知の上、再発防止に努めてまいります」としている。
中央区「場所取り行為は基本的に認めていない」
問題視されたのは、東京都中央区・人形町の「浜町緑道」に設置されたシートだった。
歩道の隅の2か所にガムテープで貼り付けられ、「3月30日(木)17:30~山下設計(機械設備設計部)」と大書されている。同社の東京本社は、徒歩10分ほどの距離にある。
シートの専有面積は大きくないとみられるが、緑道の道幅は狭いため歩行者は容易に視認できそうだ。
シートの目撃者が2023年3月22日、SNSに写真を投稿すると、花見の場所取りではないかと疑問の声が相次いだ。
浜町緑道は、春になると桜のアーチをつくる花見スポットとして知られる。19年4月放送の「夜の巷を徘徊する」(テレビ朝日系)では、「桜の穴場スポット」として取り上げられ、ブルーシートを敷いて宴会を楽しむビジネスパーソンが紹介された。
J-CASTニュースが27日に現地を確認すると、シートは見つからなかった。緑道内には、管理する中央区名義で「お花見のマナー」と書かれた立て看板があり、「他の利用者の迷惑になるような場所取り禁止」とある。区の水とみどりの課は取材に「場所取り行為は基本的に認めていない」と答えた。
過去には「日揮」でも騒動
花見の場所取りをめぐっては、過去にもプラント建設大手「日揮」で騒動があった。掃部山(かもんやま)公園(横浜市西区)で、花見当日の数日前からブルーシートを設置し、SNSで批判が集中した。会社は社員が自主的にやったとし、撤去を命じていた。
山下設計広報は29日、社員が花見目的で設置したと取材に認めた。22日に貼りだし、翌日に通勤途中の別の社員が発見し、すぐに剥がした。コロナ禍以前にも同様の方法で場所取りをしていたという。
「弊社社員による配慮に欠けた場所取り行為により、浜町緑道をご利用されるみなさまにご迷惑をお掛けしました事、誠に申し訳なかったと受け止めております」と謝罪し、「今後はこのようなことが無いよう社内周知の上、再発防止に努めてまいります」としている。