「ソラミミストは引退しました」 タモリ倶楽部終了...安斎肇さんに聞いた「空耳アワー」の30年

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「自分としては、『ソラミミスト』は引退しました」

   インタビュー終盤、安斎さんはタモリさんへの思いを語り始めた。

――1992年に始まった空耳アワーの長い歴史の中で、遅刻によって安斎さんがコーナーに途中から参加するという出来事が何度かありましたが、時間に遅れるとタモリさんはどんな態度になるのでしょうか。

安斎:小さな遅刻は数知れなかったので、スタッフはもちろんタモリさんも慣れてしまったため、少々の遅れでは大きなリアクションをなさることはなくなりました。ただ、2時間近く遅れてしまった際には、さすがに、「ちょっと、そこへ座りなさい」という展開になったことはあります。

――安斎さんが登場しない放送回もありましたよね。

安斎:実際、同規模の遅刻をして、結局は収録に行けなかったこともありましたからね。本当に申し訳ないことを何度もしてしまいました。なお、僕が行けなかった放送回では渡辺祐さんやマーティ・フリードマンさんといった代役の方が代わりに進行してくださいました。お2人を含め、代役を務めてくださった方々には、ただただ感謝です。

――今後、空耳アワーが特番として放送される可能性はあるでしょうか? 放送を望む声は非常に多いですが、いかがでしょう?

安斎:そう言っていただけるのは、めちゃくちゃうれしいです。惜しまれながらの最終回を空耳アワーは迎えられたわけですからね。実際、私の周りでも、「何とか続けてほしい」と言ってくださる方は相当数いらっしゃいます。ただ、実際に特番うんぬんの話は出ていませんし、空耳アワーはあくまでタモリさんあってのコーナーですから、「タモリ俱楽部」という本体がなくなってしまう以上、空耳アワーだけ残るというのは筋の通らない話なのかなと思います。なので、自分としては、「ソラミミスト」は引退しました。

――今後、空耳アワーの収録はなくなるわけですが、タモリさんに会う機会は今後もあるんでしょうか。

安斎:ないんじゃないですかね。それが一番さびしいです。収録がなくなると「会う口実」がなくなるわけですから、それは本当にさびしいです。それは同時に、スタッフさんと会う機会もなくなるということですから、こちらもさびしいです。ただ、音楽と映像を組み合わせた遊びという手法自体がなくなることはないと思うので、今後はそれを一視聴者として楽しんでいければなと思っています。

安斎肇さん プロフィール

あんざい・はじめ 1953年12月21日生まれ。東京都出身。桑沢デザイン研究所デザイン科修了後、麹谷・入江デザイン室とSMSレコードデザイン室を経てフリーのイラストレーターに。1992年、「タモリ俱楽部」(テレビ朝日系)のコーナー「空耳アワー」への出演を始め、2023年3月24日のコーナーの最終回で「ソラミミスト」を引退した。

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