ネイティブ話者からツッコミが寄せられたことも
――今、本業のイラストレーターのお話が出ましたが、プリンスの「バットダンス」の歌詞が「農協牛乳」(歌詞としては「Don't stop dancin'」)に聞こえるという作品が放送された際、安斎さんは農協牛乳のパックのデザインに関わったことがあるとお話しされていましたね。
安斎:そうなんですよ。当時、僕が勤務していたデザイン事務所が受注したんです。僕が担当したのは「農協牛乳」という文字の角を整えたりして、フォントに丸みを帯びさせて見た目を綺麗にするといったアシスタントの作業を毎日毎日していました。だから、プリンスの「農協牛乳」に対してはものすごい思い入れがありますし、VTRを何度見ても笑ってしまいますね(笑)。
――空耳作品は英語以外の楽曲のものもたくさんありますが、この言語は空耳が多発しやすい、もしくは、このアーティストはたくさん発生する、といった傾向はありますか?
安斎:番組でタモリさんが、「メタルは空耳が生まれやすい」とおっしゃったことがありました。なので、タモリさんの言葉を受けて視聴者の皆さんが盛んに探したんでしょうけど、一時期、メタルの作品がすごく多かった時期があります。やはり、人間、絶叫すると、発音がうかつなことになっちゃうんですよ。先程話した「農協牛乳」も絶叫していますが、とてもではないですが、「Don't stop dancin'」とは聞こえませんし、英語のネイティブの方から「そうは言ってないんじゃないか」という意見が出たこともありました。