プロ野球開幕に向け、野球評論家の順位予想がメディアを通じて報じられている。
パ・リーグで優勝候補の筆頭に挙げられるのが、3年ぶりのリーグ優勝を目指すソフトバンクだ。昨年は「マジック1」と優勝を目前にしながらラスト2戦で痛恨の2連敗。オリックスに史上初となるリーグ最終日の逆転優勝を許した。
「投手陣が充実しているオリックスの方が戦力は上だと思います」
悔しい思いを糧にしなければいけない。昨オフは積極的な補強を敢行した。日本ハムで球界を代表する安打製造機として活躍していた近藤健介、DeNAで正捕手だった嶺井博希、昨季のシーズン途中でロッテに加入して救援で活躍したロベルト・オスナ、メジャーでは苦しんだが、日本ハムで最多勝を獲得した経験を持つ有原航平、阪神の先発ローテーションで安定したパフォーマンスを発揮していたジョー・ガンケル、ミート能力に定評のあるウイリアン・アストゥディーヨらを獲得。投打で他球団を圧倒するチーム編成となった。
野球評論家のコメントを見ると、戦力の大きさからソフトバンクのV予想が多い。ただ、他球団のスコアラーは違った見方を示す。
「近藤、オスナは間違いなく即戦力ですが、他の選手たちは大きなプラスアルファになるかというと疑問符が付きます。有原は日本ハム時代より明らかに力が落ちている。故障明けなので1シーズン乗り切れるか不安です。ガンケルも加入しましたが、メッツにFA移籍したエース・千賀滉大の穴は埋まらないのでは。黄金時代を支えてきた柳田悠岐、中村晃にも衰えが見え始めている。圧倒的な強さは感じません。投手陣が充実しているオリックスの方が戦力は上だと思います」
オリックスは吉田正尚がポスティング・システムでレッドソックスに移籍したが、FAで西武から森友哉の獲得に成功。昨年は打撃不振に苦しんだ杉本裕太郎、助っ人外国人たちが機能すればリーグ3連覇を十分に狙える。
オリックス、ソフトバンクの一騎打ちを予想する声が多い中、残りの4球団は意地を見せられるか。
(中町顕吾)