「『いますぐ自由席で博多まで新幹線』ボタンが登場していた」──。
九州旅客鉄道(JR九州)小倉駅にある指定席券売機の「博多片道新幹線」という選択項目が便利だとネット上で話題を呼んでいる。わずかな画面遷移で博多駅までの切符が取れるという。同社に実施経緯を聞いた。
「人数を選ぶだけですぐに確認画面が出る」
話題のきっかけとなったのは、ツイッターユーザー「みねあかさん(@mineakasan)」さんによる2023年3月20日の投稿だ。JR九州・小倉駅の券売機に搭載されていた「博多片道新幹線」ボタンを写真と併せて紹介している。博多駅に向かう新幹線の普通乗車券・自由席特急券を、通常より少ない手数で購入できるとした。
「JR九州小倉駅の指定席券売機に、『いますぐ自由席で博多まで新幹線』ボタンが登場していた 人数を選ぶだけですぐに確認画面が出る簡単仕様」
投稿を受けてツイッターでは、「これは便利ね。いつも長々と駅選んで必要無さそうなボタンぽちぽちして辿り着いてた」「これこそ利用者が求めてるもの」と同社の取り組みを評価する声が広がっている。
小倉─博多はJR九州の鹿児島本線と、JR西日本の山陽新幹線が競合する区画となる。当該ボタンは後者の利用促進に繋がりうるため、「競合関係?の他社線なんだけどワンタッチで買えるの良いなぁ」と驚く声も寄せられている。ちなみに、博多─鹿児島中央をつなぐ九州新幹線はJR九州が管轄する。
当該ボタンについてJR九州の広報は23日、券売機の操作時間を短縮し、混雑緩和に繋げる狙いで22年12月に設けたとJ-CASTニュースの取材に明かす。九州新幹線の各駅においても、多く利用される区間で設定した。
JR西日本の切符を取り扱っている理由は、「設定の目的が指定席券売機の操作時間の短縮による混雑緩和であることとから、自由席のご利用でお買い求めが多い区間を設定しました」と答える。
「待ち時間短縮にも寄与している」
導入後の変化はこのような見解を示す。
「現在はコロナ禍からの回復傾向にあり、引き続き指定席券売機のご利用が増えている状況ではございますが、同区間をご利用のお客さまにとっては、より使いやすく、お待ちのお客さまの待ち時間短縮にも寄与しているのではないかと考えています」
ネット上の反響には「お客さまとのニーズとも合致したものと考えており、うれしく思います」と喜び、「今後も、お客さまのご利用状況やお声を踏まえて、よりよいサービスがご提供できればと考えております」と意気込む。広報は次のようにも伝えた。
「指定席券売機は不慣れなお客さまにとっては、操作が分かりづらい点があると思いますが、引き続き使いやすい設定となるように進めて参ります。指定席券売機の利用方法については弊社のホームページにも記載しておりますので、ご覧ください」