ユニクロCMでは「内田の1ミリ」登場
担当者は「店頭ではサッカーファンのお客様やそうでないお客様からも『これあれじゃない?』という感じで多くのお客様から反応をいただきました」とポスターの反響を語る。店頭入口に商品と一緒に掲示していることもあり、「通行のお客様からも『三笘』『サッカー』のワードを聞くことが多く、入店のきっかけに繋がっております」とした。
「三笘の1ミリポーズ」とファッション広告が融和したケースは他にもある。ファストファッション大手のユニクロは伸縮性や動きやすさを売りにした「感動パンツ」のテレビCMを3月上旬から放送開始した。女優の綾瀬はるかさんとサッカー元日本代表の内田篤人さんらがサッカーをプレーする内容のCMでは、「感動パンツ」を履いた内田さんが、「三笘の1ミリ」ならぬ「内田の1ミリ」でゴールライン際のボールに左足を伸ばすシーンが登場する。
なぜ、「三笘の1ミリポーズ」がファッション広告に相次いで起用されているのだろうか。ファッションジャーナリストの宮田理江氏は3月18日、取材にこう見解を示す。
「日本チームに勝利をもたらした、感動的なプレーとして記憶されているだけに、商品にポジティブなイメージをまとわせる効果が期待できると判断しているようにみえます。近頃はスポーツウエアの特性を、街中で着るファッションアイテムに生かす試みが広がっていて、今回の広告は日常とスポーツをしなやかにつなぐメッセージにもなっているようです。三笘選手の躍動感やアグレッシブさ、スピード感なども商品に健やかで軽快な雰囲気を寄り添わせてくれるメリットがありそうです。誰もがすぐに思い出せる『決定的瞬間』だから、商品に親近感を持ってもらいやすいという点でもプラスに働くでしょう」
そして、パンツの良さをアピールする意味でも、「三笘の1ミリポーズ」を広告に取り入れることは効果的だとする。
「パンツは素肌に割とフィットするタイプのウエアなので、伸びやかな着用感が求められます。引っかかったり突っ張ったりといったストレスは不快感を引き起こしてしまいかねません。その点、三笘選手があのプレーで見せた、ギリギリまで足を伸ばしてボールにタッチしたプレーは、足が自由に動かせる様子を印象づけます。たとえロング丈のパンツであっても、同様の伸縮性や心地よさが感じられるというイメージを伝えるうえで、あのシーンは効果が高いと思われます。『サッカーができるほど』『あのプレーが可能なぐらい』という、ストレスフリーのストレッチ感をアピールできる点で、パンツの穿き心地を象徴するにはうってつけの手法と映ります」