日本航空(JAL)の赤坂祐二社長は2023年3月23日の定例会見で、アクセス集中で中止していた国内線航空券の格安キャンペーンを23年4月に再開する方針を明らかにした。
赤坂氏は、キャンペーンを企画する営業部門と、大量のアクセスに対応するIT部門との連携が「ちょっと足りなかった」として、「私自身も深く関与すべきだった」などと反省の弁を口にしていた。
40万人の想定に100万人が殺到
JALが中止した「スマイルキャンペーン」は、国内線航空券を一律6600円で売り出す内容で、4月14日~5月31日搭乗分を3月9日、6月1日~30日搭乗分を3月12日に発売することにしていた。3月9日未明にウェブサイトにアクセスしにくくなり、キャンペーン以外の運賃でも予約が難しくなったため、同日午後にキャンペーンの中止を発表していた。
通常、JALのウェブサイトには毎時3万人程度がアクセスし、過去の格安キャンペーンでは20万~30万人程度がアクセスしていた。そこで、40万人のアクセスを想定して準備していたが、100万人が殺到したという。
赤坂氏は、大量のアクセスを想定できなかったことについて「大いに反省をしている」とした上で、
「これだけのみなさまにご期待をいただいたキャンペーンなので、もう一度、万全を期して、リトライをしたい」
と説明。再開時期については「4月中にご予約をいただけるような形でリトライしたい」とした。価格や搭乗期間は、当初予定していた内容を維持したい考えだが、搭乗日によって予約のタイミングを区切ったり、キャンペーンを予約する人とそれ以外の動線を分けたりして負荷を分散させたい考えだ。
格安キャンペーンはANAが先行
格安キャンペーンは全日空(ANA)が先行しており、追随するためにJALが準備を急いだという経緯もある。ANAは国内線片道7000円のキャンペーン実施を22年11月24日に発表。23年1月5日~2月28日に搭乗できる航空券を22年11月29日~12月1日に売り出す内容だった。JALが「スマイルキャンペーン」実施を発表したのは23年2月24日のことだった。
限られた期間でキャンペーンを準備する中では、営業部門とIT部門の密接な連携が不可欠だ。赤坂氏は、この点について「ちょっと足りなかった」とみており、実情について
「特にIT部門から営業部門に、きちんと『こんなことが起こりうる』という想定をして、それに対して営業部門が『であればどうするか』みたいなやりとりがあるべきだった。今回は単純に営業サイドが、想定やスペックを決めて、販売チケット数を決めて、それに対して、そのスペックに従ってIT部門が準備をした、単純にこういうことだったようだ」
などと説明。「もうちょっと、私自身も深く関与すべきだった」と話した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)