ジャニー氏性加害疑惑、テレビはなぜ沈黙するのか 英BBC記者が指摘した「依存関係」

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「ジャニーズ事務所の力の強さと、その存在の大きさ」に驚く

   なぜ「沈黙の壁」は生まれたのか。インマン氏は

「非常に驚いたことのひとつが、ジャニーズ事務所の力の強さと、その存在の大きさだ。音楽番組に限らず、人気番組には必ずと言っていいほど、彼らのタレントがひとりは出演している」

と、ジャニーズ事務所がテレビなどのメディアに食い込んでいると指摘したうえで、

「なぜメディアがこの芸能事務所に依存しているのか、そうでないとすれば非常に強い信頼関係を持つようになったのかが分かると思う」

との見方を示した。

   アザー氏は、記者は「社会の断面を表し、集団思考の影響を受けやすい」とみる。その上で、仮に自分の周りで

「噂を聞いたかもしれないが、それは噂であって、誰も触れたがらない話であり、それには理由があるはずだ」

という話が広がれば

「多くの記者の仕事に影響が出そうだ」

と指摘した。つまり、喜多川氏の事案を追及したがらない「集団思考」が報道にも影響している、という見立てだ。

   喜多川氏による性加害疑惑を報じた週刊文春の記事をめぐっては、喜多川氏とジャニーズ事務所が、計1億円余りの損害賠償を求めて東京地裁に提訴。一審の東京地裁判決では性加害の事実を認めず、文春側に計880万円の支払いを命じたが、二審の東京高裁判決では「その重要な部分について真実」と認定。賠償額を120万円に減額した。ジャニーズ側は上告したものの、最高裁は04年2月に上告を棄却。高裁判決が確定した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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