エポック社の「シルバニアファミリー」のウサギが、第95回アカデミー賞授賞式(米・ロサンゼルス)に登場した。英俳優のビル・ナイ氏が持参した。孫娘から人形を託されていたとも海外メディアで伝えられ、ツイッターで話題となっている。
販売元のエポック社(東京都台東区)に受け止めを取材したところ、「シルバニアファミリーが大切な家族の一員であることが垣間見えた」と喜びを表した。
孫が多忙で「ウサギシッター」に
ナイ氏は、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのデイヴィ・ジョーンズ役や「ラブ・アクチュアリー」のビリー・マック役などで知られる。2023年3月13日(現地12日)のアカデミー賞には「生きる LIVING」の主演によりノミネートされていた。
レッドカーペットでの撮影は小さな灰色のウサギの人形を手にして応じた。ウサギは服を着ておらず、額や胸にオレンジ色の液体がこびりついたような状態だ。経緯についてネット上で疑問が膨らむなか、英メディア「メトロ」がナイ氏から次のような声明を受けたと報じた。
「孫娘のスケジュールが立て込み、ウサギのシッターを任されるようになりました。ホテルの部屋に放置しておく覚悟はなかった。リスクが高すぎるんだ。私が行くところには、彼女(ウサギ)も行く...」
このエピソードは日本のツイッターユーザーにも紹介され、17万件超の「いいね」を集めるほど話題を呼んでいる。投稿には「最高のじいじ」「可愛すぎる」「お孫さん嬉しいだろうな」といった反応や、「エポック社の中の人はびっくりどころじゃないんじゃないかしら...」などの声が出ている。
エポック社の広報は17日、過去に同様の出来事があったかは不明だが、把握している限りでは初めてだとして、次のような受け止めをJ-CASTニュースの取材に伝えた。
「思わぬ形でアカデミー賞デビューを果たすこととなりましたが、その背景にあるビル氏とお孫さんのストーリーに心温まり、嬉しく思います。お孫さんにとっても、ビル氏にとっても、シルバニアファミリーが大切な家族の一員であることが垣間見え、まさにForever Your Family(ずっといっしょ、ずっとかぞく)というシルバニアファミリーのブランドコンセプトを体現いただいています」
種類は「わたウサギ」か
一連の出来事はイギリスの系列会社から情報共有を受けると同時に、ツイッター、海外メディアの報道で確認したとも明かす。
具体的な人形の種類について広報は、「お洋服を着ていないことから明言はできませんが」と前置きつつ、わたウサギ(コットンテール)ではないかとした。
1985年に日本で発売したシルバニアファミリー。海外展開は86年にイギリスとアメリカではじまり、現在では欧米、アジア、中東など世界70以上の国や地域で親しまれているという。