「現在は、従来の敬語のシステムが、新しいシステムに置き換わっている途中です」
しかし、それにしては批判の声が強い印象だ。このことについて飯間氏は「敬語の変革期であるため」と述べる。
「先ほどの研究書で、滝浦真人さんが『敬意漸減』(敬意が減る現象)について述べています。敬語というのは、長く使っているうちにすり切れて、敬意が十分に表せなくなります。『会場を変更する』も、以前ならば『会場を変更いたします』と言えば敬語として通用しました。でも、それだときついニュアンスを受け取る人も増えてきました。それで『させていただく』が使われはじめた面もあります。
現在は、従来の敬語のシステムが、新しいシステムに置き換わっている途中です。変革期なので、従来のシステムになじんだ人と、新しいシステムを自然と感じる人がせめぎ合っているわけですね。このせめぎ合いは避けがたいものです。実はもう1世紀ほどもせめぎ合っています。でも、次第に新システムに落ち着いていくでしょう」
(J-CASTニュース編集部 坂下朋永)